
画像:「冬のなんかさ、春のなんかね」番組HPより
主演・杉咲花×監督/脚本・今泉力哉のタッグで描く前衛的な恋物語『冬のなんかさ、春のなんかね』(日本テレビ系、水曜よる10時~)も見逃せません。好き嫌いが分かれる作品だとは思いますが、最後まで観たい作品のひとつです。
恋愛の正解探しをしない!人間味のリアリティから目が離せない
本作が賛否を巻き起こしている一番の理由は、主人公・文菜(杉咲花)の共感性が低いことでしょう。
優しい彼がいるのに他の男性とホテルに行ったり、自分を想い続ける男友だちに八つ当たりしたり——。正直「憧れる」とも「気持ちが分かる」とも言いにくいヒロインです。
しかし、文菜だけでなく、彼女を取り巻く元カレたちや友人たちまでも、皆それぞれに独自性に富んでいます。クセの強いキャラクターに加え、会話を通じて“正解のない”人間の関係性や心情を丁寧に描く作品だからこそ、観る者によって受け取り方も変わるのでしょう。
それは、タイパ重視の令和の時代とは逆行しているのかもしれません。でも、人間関係に分かりやすい正解はないし、恥ずかしい失敗をすることも、上手くいかないこともある。
それでも試行錯誤しながら、恋をして、好きな人や気になる人と繋がろうとし続ける文菜や元カレたちの姿には、生身の人間味を感じます。
第5話で描かれた大学時代の彼氏・佃武(細田佳央太)との恋も、非常にリアルでした。すごく好きで付き合ったけれど、好きの温度感の違いを感じて不安になり、「もっと好きになってほしかった」と別れを選ぶ。共感はできずとも、そんな風に考えてしまう切ない気持ちは分からなくもありません。
そんなリアルな人間関係の中で、心の機微が繊細に描かれる本作。文菜がどうなるかという結果よりも、「この物語をどう着地させるのか」を最後まで見守りたいと思います。