――『さよなら!行き当たりばったり人生!』を書くきっかけを教えてください。
真船佳奈(以下、真船):前作の『正しいお母さんってなんですか!?』(幻冬舎)でも書いたんですが、育児休業から仕事に復帰したとたん忙しさに追われて、生活が一気に乱れてしまったんです。メンタルまでガタガタになったので「このままじゃマズイ」と。現状を変えなくてはと思い、約2年前に家を購入して1〜2年かけて暮らしを整えてきました。
その記録を実用本にしようと、お金、片付け、料理のことを一冊にまとめました。同じような問題に直面しているお母さんも多いから、役に立って楽しんでもらえるのではないかと思い生まれた本です。
――新刊では “気づけばモノが増えて家が散らかる”過程が描かれていますが、この点に共感する声は多いのではないでしょうか。どんな反応が届いていますか?
真船:お金がなくなるメカニズムとして、モノを探す時間より、買っちゃったほうが早い。でも買ってしまうと、高確率で見つかり、ストックが溜まって、お金を失ってしまう。この辺は共感してくれる方が多いようです。

『さよなら!行き当たりばったり人生! お金管理も家事も全部ニガテな主婦の生まれ変わり奮闘記』(KADOKAWA)
――わかります、私もメジャーが5個ぐらい家にあります。
真船:うちもメジャー6個ぐらいあります(笑)。100均で買えるからつい買ってしまうんですよね。今の共働き子育て世代って忙しいじゃないですか。私も便利家電とか買いまくって何とか生活を回していましたけど、常に不安がつきまとってました。
――真船さんのお母さんから「家が汚れる原因は、忙しすぎることだけじゃない」と指摘されてましたよね。
真船:私の場合、完璧主義な性格も家が散らかる原因でした。最初にしっかり分類しようとがんばるのですが、ひとつでも分類できないものが出てきた時にパニックになってしまう。
どうしていいかわからなくなって、なんでもとりあえず入れておく“有象無象箱”を作ってしまい、それがどんどん増えていくんです。完璧にしたい人ほど一度挫折してしまうとすぐに部屋が散らかっていく。このへんも読んだ人からの共感ポイントでしたね。
――今回の漫画でいちばん苦労したのはどこですか?
真船:汚い部屋がたくさん出てくるので、とにかく描くのが大変でした。時代が進むにつれ時間短縮のためイラストの有料素材を買ったりしてたんですけど、汚い部屋って素材がないんですよね(笑)。以前からアシスタントさんに入ってもらって仕上げ作業をお願いしているのですが、普段は少女漫画のバラとか美しいものを描いている人にゴミをいっぱい描かせてしまい……申し訳なかったです(笑)。
――実際の部屋の様子はかなりリアルに描かれてましたよね。
真船:家の部屋を何箇所も写真に撮って、それを元に3Dモデルを作ってもらったんです。汚かった頃の家と、新しい家の両方ですね。それをクルクル回しながら、ゴミを配置してiPadで描いたりとかしてました。なので背景が今まででいちばんリアルになってます。
――今もきれいな部屋をキープできていますか?
真船:そろそろまた見直さないとなと思っています。やっぱり収納って、1回作ったら終わりじゃなくて変化していくじゃないですか。本に出てくるファミリークローゼットも当時はまだきれいだったんですけど、夫はハンガーにかける方が好きで、引き出しはいつも開けっぱなし。開けっ放しの引き出しを机みたいにして物を置いちゃうタイプなんです。
人によって「かける収納」が合うか、「引き出し収納」が合うかは違うんだなと実感しました。今はクローゼットの配置を変えたり、ポールを増やしたりして、試行錯誤してます。