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「命のリスクに直結」大炎上の絵本作家・のぶみ氏新刊に“反ワクチン”の闇。一見美しい絵本が子どもを追い詰めるワケ

「母親がのぶみに心酔」30代女性のケース

Mr.ベイビーマン評「親の風変わりな趣味」という範疇を超え、実際の親子関係を修復不可能なほど悪化させるケースも紹介しよう。 筆者のもとに、そのリアルな葛藤を寄せてくれたのは、30代の会社員・心美さん(仮名)だ。彼女の実母は、長年看護師として病院に勤務したのち、現在は福祉分野のNPOに再雇用されて働いている。 「母がのぶみ氏のファンだと知ったのは、帰省した際の実家のテレビでした。YouTubeの視聴履歴に表示されたサムネイルを見て、嫌な予感がしたんです」 家族の趣味嗜好がデバイス経由で漏れてしまう現代ならではの光景だが、その対象がのぶみ氏であったことが断絶のはじまりだった。 「その後、実際にのぶみ氏の動画を観ている母を目撃し、決定的になりました。一体どんな内容なのかと一緒に観賞すると、氏が『子どもたちが水にまつわる胎内記憶を話している。これから水害が起こる予言だ!』と煽っていました。 もし子どもに水の記憶があったとしても、それはお腹の中で羊水に浸かっていたからでは……。ドン引きしました」 しかし、母親は完全に心酔している様子だったという。 「看護師や教員の免許を持ち、それなりの高等教育を受けてきたはずの母が、なぜこんな根拠のない意味不明な言説を信じてしまうのか。母のこれまでのキャリアや取得してきた資格は何だったのかと、本当に恥ずかしく、正直失望してしまいました」

「もはや軽蔑に近い感情」

死を日常的に意識する医療従事者が、スピリチュアリティに救いを求めること自体は決してめずらしくない。しかし、のぶみ氏の手法は、子どもの無邪気な空想や語りを大人の都合でねじ曲げ、陰謀論や恐怖の煽りに利用している。そこには明らかな倫理観のバグが見て取れる。 「実は私が小さかったころ、母に『お水でぷかぷか浮いていた』と胎内記憶のような話をしていたらしいんです。その思い出も利用されたようで嫌でした。 母には反ワクチンの傾向もあり、かつて私はHPVワクチンの接種を『副反応が心配だから』と止められ、適切な時期を逃してしまいました。その上でさらに母がこうした反ワクチンや陰謀論に迎合していく姿を見て、失望と怒りを通り越し、もはや軽蔑に近い感情を抱くようになりました」 反感の言葉を口にしたため、母はのぶみ氏動画の視聴を隠すようになり、心美さんは心の距離が決定的になったという。
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子どもを利用しているのは誰か
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