【後編】国際婚活セミナーに行ってみた そのシビアな現実とは…
タレントのローラが「海外に行って結婚したい」「日本人はあまり響かない」と発言し一部で話題になった。
確かに国内で合う人がいないなら、海外から……!という発想で婚活に成功している例はたくさんある。そろそろ婚活しないと卵子年齢がヤバい記者も、日本で結婚できない可能性を考えて、「外国人男性×日本人女性専門の結婚紹介所」が主催する婚活セミナーに参加してみた。
⇒【前編】米国軍人オンリーのツワモノ女性も
お次の話題は、文化の違いについて。
A子さんの最近の婚活相手は、某アジア人。向こうではエリートビジネスマンで、貴族に属する階級だという。遠距離婚活を経て、彼の住む国へ行った時のことについて、A子さんは堰を切ったように不満をぶちまけた。
「彼、第4夫人の子供で6男だったんです。そんなに下なの!?って……。その上、もう没落しちゃってて、彼が一人で一族を食わせているんです」
一人で大勢の家族を養うほどなら、立派なものであるが……。
「え、そんな人と結婚したら、私は一体どうなっちゃうの?って感じでしょ。貴族だって言ってたのに」
A子さんの勢いは止まらない。
「あと、彼の国って娯楽が何もないの。美術館もなければ、映画館もほとんどない。やっと博物館?みたいなものがあったけど、たいしたものも展示されてないし。一体こんなとこでどうやってデートすればいいの?って思いましたよ」
カウンセラーがフォローを入れた。
「あそこらへんは、欧米に侵略されて、文化が根こそぎ取られちゃった歴史がありますからねえ……」
一瞬、静まりかえった場内であったが、あきらめないA子さん。
「あと、別の彼のお母さんに会った時、贈り物をあげたんです。結構高かったのに。そしたらお母さん、礼も言わずに無言で受け取って、すぐに横にしまったんです。信じられない!こんな人たちと上手くやっていけるのかと思いましたね」
カウンセラーがまたもや、「あそこの国は、贈り物は無言で受け取って後で数倍にして返すという風習がありますからねえ……」
とフォローを入れるも、逆に空気が凍った。
顔を真っ赤にするA子さんと、気まずそうなカウンセラー、冷や汗をかく参加者。緊張感が極度に達した時、C子さんが沈黙をを破った。
「あの~……」
やっと空気が変わる、と期待し唾を飲み込んだが
「もし結婚したら、私も外国人夫の年金をもらえたりするんでしょうか?」
思わず崩れ落ちそうになる。まだ見ぬ夫の年金を気にするとは、ツワモノすぎる。外国人男と結婚したいのであればせめて自分でググるべきではないか。英語で。
ここらで、頭がグルグルした。
国内婚活で男性の年収や学歴を気にすることと、海外婚活で男性に「外国籍であること」を求めるのは、本質的に何が違うのだろうか?
何かの限定条件付きで愛情を探すことははたして可能なのか?もはや、愛情抜きにしないと婚活は成功できないのかもしれない、とすら思える。
外国人男性じゃないと恋愛対象にならないというのは、確かにアリである。むしろ相手のルックスや服装、年齢などの条件に強くこだわるのは男性のほうではないか。だから女性だってこだわって良いのである。
ただ、外国人男性だけに限定していたら、素敵な日本人男性が現れても見逃してしまうだろう。片方を捨てるのではなく、国内も海外も同時進行で探せば成功率が上がるというものだ。
もちろん英語は必須だろう。ああ、次から次へと新たなハードルが現れてくる……。
もはや主催者もどうしてよいかわからない座談会の流れ。心も体も美しいナタリアの叫び声で、無理やり収拾がついた。
「愛があれば何でもイイノヨーーー!」
確かにそうなんだが。国内婚活も国際(海外)婚活も、愛を探すのは難しいってことで。
<TEXT/ヤサ・グレ子>
彼氏の国に行ってビックリ仰天!
ヤサ・グレ子
やさぐれ系女子ライター。オッサンの皮を被った乙女。本当は可愛いもの大好き。