――セックスでオーガズムを得られず悩んでいる女性は多そうですから、自己開発は大切かもしれませんね。
エリカ:ええ。それは日本人だけの問題ではないんですよ。ある調査によると、
アメリカ人女性の10人に1人は一度もオーガズムを経験したことがないんです(※2)。そもそも挿入だけで女性がオーガズムに達するのは難しく、現にその調査では82%の女性が「同時にクリトリスへの刺激もないと達することができない」と回答してます。
――確かに、膣の中よりクリトリスのほうが刺激に敏感ですもんね。
エリカ:胎児の段階では同じ細胞だったものが、女性はクリトリスを、男性はペニスを形成するので、ペニス同様にとても感じやすい部分なんです。4000の神経終末があるペニスに対し、クリトリスは8000もの神経終末があるので、むしろ2倍敏感だとも言われてるんですよ。しかも、人間の体のあらゆる器官は老化していくと思われていますが、
クリトリスは老化しないんです。思春期から閉経期にかけて、その大きさも約4~5倍に成長するんですよ(※3)。
――そんなに大きくなるんですか!? それは見た目的にうれしくないような……。
エリカ:体内に入っていて見えない部分も含めての成長なので、安心してください(笑)。クリトリスって、見えている部分は氷山の一角なんですよ。でも、成長にともない感度が増すのは事実。しかも、体の器官にはあらゆる役割があって、乳首など触れると気持ちいいパーツにもほかの役割があるものですが、クリトリスにはほかの役割がない。女性のプレジャーのためだけに存在するといってもいいんです。
――女性にのみ与えられたご褒美のような存在なんですね。
エリカ:そうなんです。厳密にいえば、セックスの際に女性をオーガズムに導いて子宮の収縮を促し、精子を卵管に届かせやすくするという役割を持っていますが、女性のプレジャーのための器官であることには間違いありません。ぜひ、クリトリスへの刺激でオーガズムに達するコツを掴んでください。
※1:国際頭痛学会の専門誌『Cephalalgia』Vol33, Issue6掲載の「The impact of sexual activity on idiopathic headaches: An observational study」より
※2:精神医学の専門誌『Current Psychiatry Reports』(2000年)に掲載の「Prevalence and risk factors of sexual dysfunction in men and women」より
※3:『Woman: An Intimate Geography』(2000年)より
【エリカ・アンギャル プロフィール】
1969年オーストラリア・シドニー生まれ。シドニー工科大学卒業、健康科学学士。ネイチャーケアカレッジ卒業(栄養学)。オーストラリア伝統的医薬学会(ATMS)会員。2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして世界一の美女を目指すファイナリストたちに「美しくなる食生活」を指南。栄養学、薬理学、生理学など予防医学における幅広い専門知識を駆使し、”内側からより美しく、心も身体も健やかに輝く”をテーマに、ハッピーな毎日のための食とライフスタイルを発信する。
<TEXT/持丸千乃 PHOTO/林紘輝>