フットワークは軽いものの、女性を目の前にするとなかなか踏み込めないというTさん。先日、勇気を振り絞って大規模な「オタ婚イベント」に参加したそうです。そのイベントの会場は、なんと
無人島。

写真はイメージです(以下同じ)
「男女が4人ずつ8名1組のチームを組んで、みんなで協力して島の中に隠された謎を解いていくんです。流行りの脱出ゲームと婚活イベントをミックスしたもので、男女共にかなりの謎解きゲームマニアが集まっていました」
海に囲まれた非日常的な場所に、同じ趣味を持った男女が集まり、シチュエーションとしては最高でした。
ゲームの内容も、同じチームの男女で盛り上がれるような出題が多く、Tさんは「
無人島まで来て、こんなにお膳立てしてもらってカップル成立できなかったら、やばいのでは」と思ったほど。
しかし、ここでも年齢がアダに――。
「実は、僕と同じチームのほとんどが20代前半だったんです。女の子に年齢を聞かれたので、正直に年齢を答えたら、一瞬シーンとなってから『
へー! 思い切りましたねー!』と感心されてしまって」

「思い切りましたねー!」の一言に、心が折れてしまったTさん。結局、誰とも連絡先を交換することなく、無人島から脱出して帰ったそうです。
「今の子たちはオタクであることに抵抗がない上に、それを生かして行動していてすごいなって思います。僕らの頃は、オタクであることは言えないし、ましてやお見合いパーティーなんて恥ずかしくて行けませんでしたから」と、うなだれるTさん。
Tさんの知識と経験は、オタ婚活ではかなりの武器になるはずですが、引っ込み思案な性格ゆえに持てあましている様子。また、彼の中で年齢がコンプレックスになっているようです。
「
同世代のオタクが集まる場所に行けば、年齢を気にせずのびのびできる気もするのですが……」
婚活で、同じ趣味を持つ人の集まりに目を付けるのは良い作戦ですよね。でも当然「会えばうまくいく」というものではありません。そのフックを生かせるかどうかは本人の努力次第。
Tさんが、独身からの脱出ゲームに成功する日は来るのでしょうか?
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「婚活してる男性」ってどんな人? vol.6―
<TEXT/藍川じゅん イラスト/三原すばる>
【藍川じゅん】ハンドルネームは
永田王。高収入求人サイトにてコラムを連載中。女性用リラクゼーションを求めて徘徊しています。