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40代で初恋にとまどう夫。夫婦仲は良いのになぜ?|不倫男の胸のうち

「10日ほどたったころ連絡が来たんです。会社が近所だから、その日すぐに会いました。一目見て、やはり体の奥が疼(うず)きました。あの声にふさわしい雰囲気だった。彼女がどうしても一杯おごらせてほしいというので、近くの居酒屋に行きました」  女性に慣れていないはずのマサキさんだが、彼女に対しては初対面で軽口が叩けるほど心を開いていたという。彼女は30代後半、バツイチのシングルマザーだった。母親と娘との3人暮らし。 居酒屋「つきあっている人もいなかったようです。それからときどき会うようになりました。彼女は僕のことをどう思っていたのか、誘えば気軽に食事につきあってくれるし、子どもが同年齢なので向こうから相談をもちかけてくることもある。一緒に映画を観に行ったこともあって、そのあとの話がものすごく盛り上がって楽しかった」

気持ちを伝えてしまった今、どうするべきか悩んでいる

 その後、彼は急に押し黙った。そして何度か言いづらそうにしたあと、あの、とこちらの目を見た。 「実はつい先日、彼女から『私のこと、女として見てますか』と言われて……。これほど好きなのに伝わってなかったのかとちょっとショックで。『心から好きだよ、大好きだよ。あなたみたいな人に会ったことがない』と抱きしめてキスしてしまったんです」  恋愛感情がわからなかった男が、初めて心揺さぶられた夜。だが、ここで彼に新たな迷いが生じている。 「このまま突き進みたい。だけど男女の関係になったらどうなるのか。妻が知ったら……。いろいろ考えると諦めるしかないのかもしれないとも思う。でも彼女を失いたくない。彼女と会う時間は今の僕には宝物みたいなものなんです」  決めるのは自分だ。恋愛と家庭は別だと割り切って、絶対バレないように突き進むのか、あるいは今の状態をキープして彼女との“友情”を続けるのか。またはきっぱり別れるのか。どの道を選んでも、彼には後悔がつきまとうかもしれない。 <文/亀山早苗>
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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