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切迫早産で寝込んでいたら、夫がうつ病に…夫婦で同時に見た「どん底」

 夫婦で力を合わせても大変なことだらけの、初めての育児。それを一人で乗り越えることになり、まさに人生のどん底を見たという久保咲子さん(仮名・36歳・派遣)。ことの発端は、旦那さんの“うつ発症”でした。

妊娠中の妻、うつ病の夫「私は妊娠7か月のときに切迫早産で自宅安静となり、休職してひたすら横になって過ごしていました。そんななか、夫が体調を崩すことが増えて。家事の大半をこなしてくれていたので、その疲れかなと考えていたんですが、いま思えばうつの症状だったんですね……」

出産の一か月前、突然休職し実家に帰ってしまった夫


 もともとメンタルが強いほうではなかったという旦那さん。限界は、ある日突然やってきました。

「夕方頃、仕事中のはずの夫からメールが届いたんです。『ごめん、しばらく実家に帰る。もう飛行機に乗ってしまった。あとで電話する』と。もう、わけがわからずボー然ですよ。だって、そのとき出産予定日一か月前で、旦那の実家は四国。東京の家でいつ何が起こるかわからない時期にそんな遠くへ行くなんて、信じられませんでした」

 数時間後、旦那さんは電話で、仕事のストレスで数か月前からうつ症状に悩まされていたこと、気づいたら休職届を出して飛行機に乗っていたことなどを力なく語ったとか。

義母

写真はイメージです(以下同じ)

「うつは難しい病気なので頭ごなしに非難はできませんが、一人にされるのは困る。帰ってきてと懇願(こんがん)しましたが、『生活費はきちんと振り込むし毎日メールするから許してくれ』と電話を切られてしまいました。

 動揺し、義母に電話をして夫の説得を頼むと、『本当に具合が悪そうだから少しそっとしてあげて。咲子さんが困らないよう野菜とかも送るから』と。姑はちょっと天然な田舎のおばあさんで、こっちのヤバい状況がいまいち伝わらないんですよ。『野菜などいらんわ!』と頭を抱えてしまいました」

 ともかく、夫が帰ってこないのは現実。誰かにヘルプを頼むしかありません。

「実母はすでに他界し、実父は娘の世話をできるタイプじゃない。悩んだ末、平日はネットスーパーや宅食で乗り切り、妹に週末だけ家事を手伝ってもらうことにしました

臨月 仕事が忙しい妹さんにあれこれ頼むのは心苦しかったそうですが、予定日2週間前に子宮口が開き始め、急遽(きゅうきょ)入院。

「普通の妊婦さんなら焦るところでしょうが、私はホッとしました。やっぱり、一人で家にいるときに陣痛が来るのは不安でしたから」

 こうして無事に男の子を出産した久保さんですが、本当の試練は産後に待っていました。

産後はさらに大変な生活が待っていた


「育児の大変さは覚悟していましたが、ここまでとは……。退院後2週間は妹が泊まり込んでくれたのですが、妹も育児初心者だし、私のように責任はない。ウンチの拭きが甘くても、夜中に息子が泣いたときにまったく起きてくれなくても文句は言えず、疲れすぎてピリピリしてました」

 それでも、やはり妹はありがたい存在。一人になったら愚痴も聞いてもらえないし、ゆっくりトイレに行ったりお風呂に入ったりする余裕もありません。

「息子はよく泣く子で、妹が帰ってからは24時間張り詰めた状態。正直あんまり記憶がないのですが、化粧水をつける余裕もないので肌はガサガサ、片手でつまめるパンやクラッカーばかり食べていた気がします

赤ちゃん そんななかハッキリ覚えているというのが、胃腸炎事件

「生後4か月のときに息子が胃腸炎になり、下痢が続いていたんです。その日も寝不足でボーッとおむつを替えていたら、おしりを拭いている最中にオナラとともに盛大に下痢ウンチを噴射されて……」

 とっさによけた久保さんは無事だったものの、ウンチが噴射された先には取り込んだばかりの洗濯物の山が。

「もう、頭が真っ白になってフリーズしちゃって。すぐに『消毒しなきゃ!』と我に返ったのですが、大量の洗濯物を消毒液につけて洗い直して……という作業を想像したら何かがプツッと切れて、無の表情で息子のおむつ替えをすませ、洗濯物はそのまま洗濯機にぶち込んじゃったんです。そして、何もかも嫌になって死にたい気分になり、泣く息子を無視してひとしきり泣きました

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ついに泡を吹いて倒れてしまった

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