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「猥談バー」に集う男性はみんな爽やか。猥談は癒しかもしれない|辛酸なめ子

スクワットに催眠術…バラエティに富んだ猥談

 その夜、繰り広げられていた猥談に耳を傾けると……。 「小向美奈子似の人が、『私のスクワットに付き合ってもらおうか』って言ってきて、聞き返したら同じこと言ってきたんです。ゴムつけて乗っかられて、すげースクワットしてるって……。スクワットで果ててました。要は騎乗位。僕は動いてない。でっかい胸を俺が抱えてるって体勢」と、淡々と体験談を報告する20代男子。西川口での話だそうです。 「体幹がしっかりしてるね」と絶妙な返しをする女性店員。 猥談バーに集う男子たち 後から入ってきたスマートなメガネ男子は、性的な催眠術をかけるテクニックがあるそうです。 「大学の時に趣味で催眠術をやっていて、彼女に感度アップの催眠をかけたら、手をつないだだけでイクようになったんです。毎日かけてたら境目がなくなってガバガバ状態に。ディズニーランドで普通にデートしていたら反応おかしくなってきて、たまにピクンッてなって。絶叫マシンでひとりだけ声が違う。 催眠のエロメニューって、いろいろあるんです。バイブが入ってる気がするエアバイブとか。快感3倍っていったら3倍になる。歯止めが利かなくなるので、今の彼女にはまだかけてません」  スマートメガネ男子にエロ催眠術に目覚めたきっかけを聞くと、「思い返すと、小5の時に体育館で寝泊まりする合宿があって、隣に好きな子が寝てたんです。その子の寝顔がめっちゃかわいいと思ったのがきっかけかも」とのこと。  猥談を語ると、自分のことが見えてくる、そんな効果もありそうです。だんだん猥談バーが癒しの空間に思えてきました。  不肖私も、最近友人に聞いた猥談(シャンバラの住人とSEXしたらすごい気持ち良くて、しかも身ごもったら子どもが頭頂部から生まれて宇宙に飛んで行ったというサイキックの女性の話)を猥談バーで話させていただきました。皆、性欲なしで楽しんで聞いてくださって、「愉快ですね」「夢がありますね」とナイスなリアクションをいただき、充実感に浸りました。  ポジティブな性エネルギーが循環している空間で猥談を語り合う心地良さは、性行為に勝るのかもしれません。 <文&イラスト/辛酸なめ子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。
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