「当時の彼氏と一緒に住み始めることになったおかげで、家賃・光熱費がなくなって、生活がだいぶ楽になったんです。でも少しゆとりが出たら、節約してた反動か、すごいお金を使いたくなってしまって……」
当時、パチスロ雑誌のイメージガールをしており、パチンコ屋には仕事でよく行っていたという里奈さん。イベントでは、実際に新台をプレイしたりもしたようで……。

「楽しくてハマっちゃいました(笑)! パチスロ雑誌も隅から隅まで読んで、当たり目(大当たりの直前に出るスロットのリールの配列)を覚えたりして、毎日のように通ってましたね。彼もパチスロ好きだったので、休みが合う日は一緒に行ったりもしました」
ですが、週に1度しか仕事をしていない里奈さんと平日フルで働く彼とでは、通う頻度は明らかに里奈さんの方が多く、負けが続くと彼からお金を借りることもあったといいます。
「
気付いたら負債は50万円くらいまで膨れ上がっていましたね……。返せるアテなんてあるわけないし、もちろん借用書も書いてないし、彼氏だから大丈夫かなぁ~なんて甘くみてたら、バチが当たりました(泣)」
バチ当たって当たり前ですから~!
「同棲してからもクラブ通いはしてたんですが、ある日酔っ払って朝帰りして、寝ている彼の上にダイブしたら、『お前もう出てけ~!』と追い出されました(笑)」
彼は里奈さんのいい加減でだらしない日々の生活に呆れ果てていたようです。
しかし里奈さんは、彼に借金もあり、もはや彼がいないと生活ができませんでした。で、パチスロや夜遊びを止めはしないものの控え、「生活を改めるから別れたくない」としばらく踏ん張ったのですが……。
「
『借金は返さなくもいい。頼むから別れてくれ』と言われました。それを聞いて内心、少しラッキーとも思いましたが、それだけ本気で別れたいんだなって思うと、悲しくて寂しくて落ち込みましたね」
彼と別れた当時の里奈さんは28歳。プロフィールでは3歳サバを読んでいましたが、それでも25歳と、パトロンが欲しくても難しくなってくる、業界では若いとはいえない年齢です。グラビアという仕事に未練がなかった里奈さんはキッパリと辞め、就職活動を開始。そして、縁のあったベンチャー企業で広報宣伝担当として働き始めます。

「外面(そとづら)がいいので、どうにかポテンシャル採用してもらえたけど、PCを触ったことすらなかったので、仕事を覚えるのはかなり大変でした。でも、給料は良くなくても、自分で稼いだお金で飲むお酒はやっぱり美味しいですよね」
それから転職を重ね、今は小さな広告代理店でマネージャーという役職にもつき、年収も就職当初の倍くらいまで上がったといいます。頑張って、貧困から抜け出すことができた里奈さん。
「働くことがこんなに楽しいと思わなかった」と言っていたのが印象的でした。
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シリーズ 貧困の沼、転落の淵―
<文/白戸ミフル>
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