続いての実用的な話としては、声を出す上での「鼻腔」の大切さについて教わりました。
解剖図を示して説明
「みなさんは、声を大きくしたい時に、どんな意識を持ちますか?」と問いかけられて、「腹筋を使うとか?」「外に向かって大きな声を出すとか?」などと懸命に考えたのですが、これらは実はNG。
「声って、そもそも『共鳴』することで外に出ているんですね。だから、大きな声を出したい時に、外に対して大きなエネルギーを使おうとするのはNGです。そうではなくて、
内側にエネルギーを向けて、『共鳴』させるのが大事です」
真剣に聞き入る参加者たち
イメージとしてはトンネルの中で大きな声を出すと響くみたいな感じでしょうか。先生によると、体の中の「息が届く範囲内で一番大きな空洞」は鼻腔。なので、美声を意識する上で大事なのは、「鼻腔をしっかり使い、共鳴させること」というのです。
とはいえ、鼻腔を共鳴させるってどうすればいいのでしょうか。普通に生活していると「鼻腔を使おう」と言われてもなかなかイメージがわきませんよね。
そこで、ここからはいよいよオリジナルメソッドです。
先生によれば、顔の「ある部分」を動かさないことで、誰でも鼻腔を使うことができるようになるというのです。これは、実際にやってみて「なるほど!」と膝を打ちました。
このメソッドで行うと、私のような非・筋肉派で、歌が苦手な人間でも、簡単に鼻腔を動かせる方向に顔の筋肉を持ってゆくことができやすいのです。
ということで、実技です。
一つは、マツコ会議でマツコがチャレンジして話題になったこのポーズ。
唇の下を指で押さえて発声するポーズです。
こちらがマツコも行ったポーズ
また、ポーズを行うためには、口角から頬に広がる筋肉「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」をしっかりと使います。が、私をはじめたいていの人は普段使っていないので、なかなか動かすことができません。
先生考案の「動かす練習」
そこで、ポーズを行う前に、先生考案メソッドの「動かす練習」もしました。これがまたまた素晴らしくて、通常は筋肉を動かすハウツーをつかめないタイプの私でも、すぐにチャレンジできました。
もちろん、完璧にできてはいないものの使うべき顔の部位がわかったので、レッスンを終えた後も気が向いたときに一人で顔を動かしています。
アシスタントさんのビフォーアフター
つまり、一度レッスンに参加すると、その後に自分で続けられるようになるんです。それだけ秀逸な、誰もが行いやすいポーズなんですよ。
結局、2時間半を超過したというのに、飽きることがなくレッスンが終了。先生によると鼻腔を意識したボイトレで生徒がどんどん小顔になったり、立体的な美フェイスになっていったため、『美顔ボイトレ』というレッスンが生まれたということでした。
いずれにしても、オリジナル感が半端ないこのレッスンは、参加する価値「大ありだなあ」と感じました。気になった方は、私のようにいきなりレッスンに参加してみてもいいでしょうし、先生のLINEや著書にもメソッドが書かれているとのことなので、そちらから見てみるのも一考だろうと思います。
『美顔ボイトレ/声を出すたびに美しくなる』(祥伝社)
●鳥山真翔先生プロフィール
鳥山真翔考案美顔ボイトレ®
ボイストレーナー/美顔ボイストレーナー
ゴスペルシンガー、ディレクター、整体師などを経て、ボイストレーナーに。現在は、発声のエキスパートとして、数々のテレビ番組や著名人、レコード会社、専門学校等で発声を指導する他、企業研修なども行う。2010年に立ち上げた『Switch Of Voice』では、1万5000人以上を指導、また独自で生み出した表情筋と発声の深い関係を説く『美顔ボイトレ』が好評。著書は、『美顔ボイトレ/声を出すたびに美しくなる』(祥伝社)
―「
美活(今さら)始めました」―
<文/にらさわあきこ>
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