やはり、大変なのは入院患者なのか……と思いきや、外来患者の中にも「モンスター」は多いといいます。話してくれたのは都内の内科クリニックでパートとして勤めるKさん(32歳)。
「クリニックで割と多いのは最近、問題にもなっている医療費の踏み倒しですね。『
薬が効かなかったから金は払わない』と難癖をつけたり、中には『
いま手持ちがない』と言ってそのまま来なくなる人も。
未払い患者には電話や督促状で対応するのですが、中には引っ越して住所が変わるギリギリ前に踏み倒してそのまま姿をくらますという悪質なものもあります。どうしても本人と連絡がつかなくなったら実家や家族に連絡して振り込んでもらいますが……」
また、小児科も併設しているというKさんのクリニックでは患者の親がモンスター化することもあるといいます。
「冬になるとインフルで来院してくるお子さんが多いのですが、診断が出ているのに『
明日から旅行なので、明日までに熱を下げる薬もらえないですか』と無理な要求をしてくる親とか。インフルの子供を連れ回すなんて絶対にやめるようにお願いしますけれど……。
他には『
子供が薬を苦いと言って飲まなかった、薬を変えてほしい』というクレームをつけてくる親も。子供用の薬なんて限られているんだから、自分達で服薬ゼリーとか使ってどうにかして飲ませてくれ……という感じですね」
週刊朝日と医師のコミュニティサイト「MedPeer」運営会社が、現役医師526人を対象に行った「モンスターペイシェントに関する調査(2016年8月)」によると、「暴言や無理難題などの対応に苦慮する患者の診察経験がありますか」の問いに対して、勤務医の53%が「はい」と回答しています。
病気やケガのときにいつもより気持ちに余裕をなくしたり、気が立ってしまうものです。理不尽な要求を病院に求めていないか、改めて考え直す必要があるのかもしれません。
―シリーズ・モンスター客図鑑―
<文/結城>
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男女観察ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter:
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