Fashion

「ダウンコートはダサい」って本当?お出かけの時にはマナー違反?

あなたが行くのはリゾート地?都会の高級ホテル?古都の老舗旅館?

 前述したように、モードの世界では、それまでふさわしくないとされていたアイテムやスタイルの取り入れが進み、スポーツウエアやアウトドアウエアのアイテムもファッショナブルである、十分にモードであると考えられているわけですが、それが誰でも、そしてどんな場面でも通用するかといったら、それはまた話が違ってきます。  例えば、スキー場で有名な高級リゾート地のホテルやレストランに入るときには、ダウンコートは、それがモンクレールではないとしても、全く問題ないでしょう。なぜなら、寒いところでダウンコートを、しかもスキーをするために訪れた人々が着るのはごく普通のことだからです。
Beautiful brunette in white down jacket in winter

寒いところでダウンコートを着るのはごく普通のことだけど…
(※画像はイメージです)

 では、スキー場ではない、都会の高級ホテルやレストランではどうでしょうか。  例えば、寒い2月、パリの高級ホテルにモデルのベラ・ハディットがダウンコートを着てチェックインしても、彼女はホテル側に歓迎されるでしょう。  なぜなら、彼女はモードの世界の人であり、存在自体が十分ファッショナブルであるからです。また、パリという土地柄、ホテルの従業員もアウトドアウエアも今はモードであるということを理解しているだろうと思いますので、なんら問題はないでしょう。
ベラ・ハディッド

ベラ・ハディッド

 しかしこれが、日本の古都の格式高い老舗旅館で、モードの世界とは何も関係ない、ごく普通の一般人であったらどうでしょうか。その場合、いくらモンクレールのダウンコートを着ていたとしても、「格式高い老舗旅館にスキー用のコートを着たまま来た人」として、あまり歓迎されないかもしれません。  けれども、それが誰もが知るような有名なスキー選手であったとしたら、ダウンコートを着たスキー選手ということで、逆に歓迎されるということもあり得ます。
41904266vb_11_d

高級なモンクレールのダウンでも、場所によってはNGの場合も…
(※画像:モンクレールの通販サイトより)

場所にふさわしいかは立場、場所、目的など、さまざまな要因と関係性による

 その場所にふさわしいかふさわしくないかは、着ているもののブランドや値段でだけで決まるのではなく、その人自身の立場、場所、そこにいる目的など、さまざまな要因と、その関係性によって決定されます。それは例えばルイ・ヴィトンやヴァレンティノの10万円以上もするようなスニーカーだったら、どんなところへ行くのにもふさわしいのかといったら、そうではないというのと同じです。  ファッションの世界では、「ダウンコートはダサい」などとは考えられていませんが、ダウンコートを着ていく場所としてふさわしいところ、ふさわしくないところがあるのは事実です。
Attractive woman in a down jacket isolated on white

自分が訪れる場所などを踏まえ、ダウンコートを着るかどうか決めよう
(※画像はイメージです)

 自分が訪れる場所はどういうところか、自分はどのように扱われたいのかを考えて、その時々によって、ダウンコートを着るかどうか決めるといいでしょう。 <文/小林直子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。著書『わたし史上最高のおしゃれになる!』など。
1
2
Cxense Recommend widget
【小林直子さんへのファッション相談募集!】
ファッション・ブロガーの小林直子さんが、あなたのファッションの悩みにお答えします。相談したい方は、こちらのお問い合わせフォームまで、お名前はハンドルネームまたは匿名希望、題名の冒頭に【小林直子さん相談】を入れ、お送りください。コーディネートのことやワードローブの組み立て方、ファッションに関わるライフスタイルについてなど、ファッションに関することであれば何でも結構です。
※相談内容の一部を変えて取り上げさせていただく場合がございます。
あなたにおすすめ