フィルター付きの自撮り写真は、“嫌われやすい”ことが判明
スマホで撮った写真をフィルターやアプリで加工するのは当たり前。特に自撮り写真なら、美肌加工したり輪郭を細くしたり、手を加えたくなる部分も多くなるものです。でも、そんなフィルター付きの自撮り写真は嫌われやすいかもしれない…そんな調査結果が発表されました。

SNSに写真を投稿したら、「いいね」と言ってもらいたいと思うのが、人間の自然な心理。それが自撮り写真ならなおさら、自分のアラを隠して高評価を欲しいと思うものでしょう。でもフィルターなどで加工した自撮り写真は、本当は他人からどんな風に見られているのでしょうか?
そんな疑問にこたえるべく調査に乗り出したのが、アメリカのローワン大学の研究チームです。インスタグラムで「#selfie」のハッシュタグをつけて投稿された写真2030枚から、人の顔が含まれない写真やPR投稿を除外した1873枚を集めて分析を行いました。1873枚の自撮り写真のうち、女性が90.7%で、人種別にみてみると白人が50.7%、ヒスパニックが25%、アジア人は18.8%、アフリカ系アメリカ人が4.6%でした。
さらにこれらの自撮り写真について、フィルター使用の有無のほか、それぞれのアカウントのフォロワー数や最も「いいね!」が多かった投稿、その自撮り写真でもらった「いいね!」の数などについて、分析を行いました。
その結果、フィルターがある自撮り写真は、フィルター無しの自撮り写真に比べて「いいね!」の数がかなり少なくなる傾向にあることが判明したのです。
自分の顔を写した写真は、自分の悪い部分は隠して良い部分だけを見せたくなるものです。でもこの調査を行った研究チームのメンバーは、他の人が自撮り写真を見たときに「加工している」と感じてしまうことが、「いいね!」を押したくなくなる原因だと考察しています。
フィルターで加工した自撮り写真は他人から好かれないという結果がわかる一方で、反響の良かった写真について分析したところ、まわりの人から好まれる自撮り写真があることもわかりました。それは、仕事や趣味、生活や人間関係などの社会的な情報がわかる自撮り写真です。たとえば、自分の職場を背景に制服を着て撮影した自撮り写真や、サイクリングが趣味の女性がウェアを着て自転車も一緒に写るようにして撮った自撮り写真などは、「いいね!」が多く集まりやすいことがわかりました。
背景がどこだかわからない場所で撮影した自撮り写真は、その人の顔をただ単純に撮影した写真になりますが、その人のくらしや仕事の様子が見える自撮り写真なら、その人がどんな風に社会とかかわっているかということまで写真を通して見えてくるため、他の人から共感が生まれやすくなるのでしょう。
自撮り写真が好きな女性は多いもの。でも他の写真と比べて、せっかくの自撮り写真に「いいね!」の数が少なかったら、ガッカリしてしまうかもしれません。まわりから共感や応援をもらえる自撮り写真を撮るなら、撮影するシチュエーションにもこだわってみることが大切なのかもしれません。
<文/佐藤まきこ>
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「いいね!」をもらいやすい自撮り写真もある
佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone