二次元にのめり込み、コスプレの世界で認められるように
「自分の顔が嫌いで仕方なかった私は、どんどん二次元とオタクの世界にのめり込んでいくようになりました。ネットで友だちを作って、現実の恋愛に自信が持てない分、推しのキャラクターと疑似恋愛して。そんな時に出会ったのが、コスプレだったんです」
※写真はイメージです
SNSで仲良くなった人たちの影響で、自己満足の範囲で始めたつもりだったというコスプレでしたが――。
「でも、好きなキャラクターの衣装をまとった時の、自分ではない何者かになれたあの感じにあこがれて、SNSにも写真をアップし始めました。
写真だけなら分からないだろうと、コンプレックスだったアゴは画像加工で消しました。
すると、徐々にいろいろな人からコメントが来るようになって……カワイイ、似合うと褒めてくれる人がいて。コスプレを始めて、自分のことを少しだけ好きになれたような気がしました」
好きなキャラのウィッグをかぶって衣装を着たら、自分ではない何かになれる。社会人コスプレイヤーとして趣味でコスプレを楽しむ人達は、そんなひとときの「非現実感」を味わうために、週末だけ活動をする人が多いのだといいます。
「しばらくは、宅コス(自宅でコスプレ)して写真をSNSにアップするだけで満足していました。でも、少人数だけど私のコスプレのファンだと言ってくれるような人も現れるようになって、コスプレを始めて2年ほどたった時に、とある大型コスプレイベントにリアルで参加してみることにしたんです。
自分に自信がない私がリアルイベントに参加できたのは、自分のフォロワーさんたちがとても温かかったから。日々お褒めのコメントを頂いて、調子に乗っていたんだと思います。でも、実際参加したのはその1回きり。もうずっとリアルイベントには参加していません」