写真はイメージです(以下同じ)
マナさんの母親は夕方には帰るので、夫婦ふたりで食事をとるのだが、ある日、夫は「週末、一緒に料理しようか」と言い出した。夫の妥協案だったのだろう。だがマナさんは、「ママが作って冷凍してくれたものがたくさんあるのよ。食べちゃったほうがいい」と夫の提案を退けた。
「夫はあまり不快感を示さなかったので私も気づけなくて。でも私もよく夫の実家での親戚の集まりには顔を出していたんですよ。うちは親戚づきあいがあまりない家庭だったので、本当は夫の親戚が集まってワイワイするところへ行くのは嫌だったけど、そこは私が妥協したんです」
おたがいに「自分は努力している」と思っていた。だが、関係は少しずつぎくしゃくしていく。子どもが生まれたとき、マナさんはまず母親に「抱いて」と言った。夫にとってはそれが決定的だったようだ。
「たまたまママが近くにいたから言っただけなんですが、夫が傷ついてしまった。謝りましたよ。だけど夫は根に持っていたみたい」
結局、ぎくしゃくした雰囲気はさらに強くなり、子どもが生まれて1年で離婚した。
「実家に戻ってもよかったんですが、なんとなくこのままずるずると両親に頼るのもいけないような気がしたんですよね。実家から歩いて数分の小さなマンションを借りて新生活を始めました。
朝はちゃんと保育園に子どもを預けて、仕事に行って。週末は母に料理を教わって,自分でも作るようになりました。シングルマザーとしてがんばらなければと思って」