VERYモデル牧野紗弥が「ペーパー離婚で夫婦別姓」を選ぶ理由。平等な夫婦の形とは|Vol.1
復職したいのに、復職できない……
「転機になったのは、出産と育児のために仕事を休んでいた私が、復職を考え始めた時のことです。当時は夫の予定を優先した上で仕事復帰を考えていたものの、復帰したくてもできない状況が続きました。例えば、復職のためにモデルの仕事のオーディションを入れたいけれど、それが仕事につながるのか分からない“可能性”の段階では、夫の都合をつけてもらえない。
さらに保育園や幼稚園も、家庭内のことは全部私がやらなくてはいけないと思い込み、気づいた時には夫に家事や育児を渡すことができなくなっていました。
こうした思い込みの原因は、自分の中で“女”や“妻”という立場にバイアス(偏り、先入観)がかかっていたからです。しかし、当時はそれに気づけず、夫に対して『あなたは全然やってない』みたいな感情になり、ギスギスした状態が続き、話し合いをすることになりました」
夫のチャレンジ「1週間、家事と育児を全部やる」
「夫が『それなら、家事と育児を1週間ぜんぶ僕がやってみる』と言ったんです。こうして始まった夫のチャレンジですが、本当にその間、私は何も手を出しませんでした。期間中はママ友たちの協力のもと、ママ友同士のグループLINEに夫も入れてもらい、子どもの送り迎えなどの細かなやり取りまで参加していました。
こうしたチャレンジの結果、夫からは『今まで紗弥ちゃんが、外にいても家にいても全部のスイッチを常に“オン”にした状態だったことがよく分かった。知る機会を与えてくれて、ありがとう』と言ってもらいました。そしてもう1週間延長したいと、夫が自ら申し出てくれたんです。
結果としてこのチャレンジの後に夫から、『新しい共働きの形を作っていこうね』と言われました。それと同時に、私は私で女や妻としての役割に自ら縛られることで、夫が知る機会を奪っていたことに気づきました」
夫さんの中で「妻が抱えているタスクと責任の具体的な重さ」が目に見えたことは、夫婦にとって大きな第一歩。こうして、牧野さんと夫さんは、ふたりにとっての最適な形を探し始めるのでした。次回に続きます。
【次の記事】⇒モデル牧野紗弥が気づいた“妻の苦しさ”の正体。ジェンダー問題だったんだ!
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- 牧野紗弥さん(左)と筆者(右)
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518
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