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「“黙らない”ことって本当に勇気がいること」セクハラ経験を描く漫画作者に聞く

心理療法でつらい記憶に向き合う

ペス山ポピー「女の体をゆるすまで (下) (ビッグコミックス)」小学館

ペス山ポピー「女の体をゆるすまで (下) (ビッグコミックス)」小学館

――下巻では、EMDRという心理療法を経験されていますが、記憶を処理して「記憶がアルバムになる」という作業はいかがでしたか? <編集部注:EMDRは多くの国が発表するPTSD(外傷後ストレス障害)の治療ガイドラインに「実証された最も効果がある心理療法」の1つとして載せられています(一般社団法人日本臨床心理士会ウェブサイトより)> 【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます
©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

©ペス山ポピー/女(じぶん)の体をゆるすまで

ペス山:
初めてEMDRを知った時、そういうこと!?と思いました。何されるんだろうと思っていたので。  辛い人だと、失神して救急車を呼ぶこともあるらしいです。体験に重い軽いはないんですけど、私の場合はゼエゼエいったりもしたんですが、まあでも大丈夫っていうか、「あっ必要だなこれ」とやりながら思いました。 ――先生がサラリと「殺しましょう」と言うコマが衝撃でした(笑) ペス山:「じゃあ殺しましょう」って(笑)。「どう殺します?」って聞かれて、「重めのバットで」とか「トンカチがいい」とか。  やっぱり背中触られた場面のところは一番感情的な高まりが大きくて、ほんとに怒りでいっぱいになっちゃって。「殺してやりたいです!」ってなって、「じゃあ殺しましょう」と。「頭の中は自由ですから」って。その言葉には救われた気がしました。 ――ラストのコマが砂利道の上を歩く素足で終わるのも印象的です。砂利道はゼラチンの回でも象徴的に使われていますね。 ペス山:ちょっと怖い終わり方にしたかったというか。実際にカウンセラーさんとああいう会話をして、でもEMDRが終わっても、外出るの怖いっていう気持ちは別に変わらないよなって。 8月に臨床心理士の信田さよ子さんとのオンライントークイベント(『女(じぶん)の体をゆるすまで』発売記念「性被害に遭った体でどう生きるか」)があるので、そこで今後どう生きるかということについて、お聞きできたらなと思ってます。
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自分の体験を言葉にしていけたら
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