
©竹内佐千子 集英社
――最終回は衝撃の展開でした。どのような経緯であの最終回が生まれたのでしょうか。
エイチ:ネームチェックの段階で、編集長に「あなたこんな風に描かれて大丈夫?」って言われることがわりとあったんです。
私は全然気にしないのでどうぞお好きにって思っていたんですけど、いざとなれば「本当はエイチなんて担当どこにもいないのに、漫画家さんの想像力ってすごいですね!」って編集部のツイッターに書いておけばいいやと思っていて。
でもエイチが本当にいなくて、全部竹内さんの頭の中で作った話だったらある意味本当にすごい漫画だなと思って、竹内さんに話したんですよね?
竹内:何言ってんだこの人と思って(笑)。でもだんだんなるほどな…と思えてきたので形にしてみたら面白過ぎました。
最終話までほんとに好きなように描いていて、特にエイチに関しては、さすがにプライバシー的にギリギリのレベルに達してたんですけど、ダメだったらダメな部分を削ればいいと思って100%出してたんです。そうしたら、そこは全然直ってこないんで「いいんだ…」って気持ちになって(笑)。編集さんって懐が広いなと思いました。
エイチ:竹内さんの『イケメンに会いたくて』シリーズに出てくるぶんか社の担当編集のM田さんって、すごい存在感じゃないですか。私あのシリーズをずっと読んでいたので、始まっていざ自分が描かれ始めた時に、「M田さんと同じくらい存在感を示さないと!」っていう対抗心みたいなのがあって。それが短い期間でどんどんキャラが崩壊した一因だと思います(笑)。
竹内:(爆笑)エッセイ漫画を描く上で、こういう編集さんに助けられてるんだと思います(笑)。
――本のまえがきで「もうエッセイは描かない」とおっしゃっていましたが、今もその心境は変わりませんか?
竹内:今後もエッセイ漫画を描くかどうかは、担当編集によると思います。担当ありきで進んでいくスタイルをとることが多いので。よっぽど私に描きたいテーマがない限りは、自分からは描かないですね。
――体を張る担当編集さんがいれば、また竹内さんのエッセイ漫画が読めるということでしょうか…?
エイチ:挑戦者スタイルですよね。新しい編集者が出てきては消え、出てきては消え(笑)。
竹内:復活する場合もある(笑)。
この後、話は「アラフォーの推し活と健康事情」へ。
後編に続きます。
【インタビュー後編はこちら】⇒
「推しは作るものじゃない、突然やってくるんです」アラフォーおっかけ漫画家に聞く
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『沼の中で不惑を迎えます。 輝くな! アラフォーおっかけレズビアン!』第1話
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<文/藍川じゅん>
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80年生。フリーライター。ハンドルネームは
永田王。著作に『女の性欲解消日記』(eロマンス新書)など。