Entertainment

朝ドラ『カムカム』上白石萌音に涙が止まらない!“昭和の女”がここまで似合うとは

怒涛の展開の中でも、人々の感情が深く描かれている

前作『おかえりモネ』は全120回で、東日本大震災から約10年間のヒロインの葛藤・成長が、周囲の人間関係とともに丁寧に丁寧に描かれました。それと対照的に3世代のヒロインの100年という長い期間を描く本作では、第7週(~12月18日放送)までですでに26年間が描かれています。 1週目で稔と出会い、2週目に交際、3週目に結婚、4週目は戦争により別れ、5週目には大阪、6週目は岡山に舞い戻る……もう怒涛すぎる展開です。
しかし、決して出来事をただなぞるような見せ方ではなく、登場人物たちの心情を深く感じ取ることができるのがこのドラマの素晴らしいところ。筆者ももうすでに何度泣いたか分かりません。涙だけでなく、ちょっとした笑いや、胸キュン、せつない場面も多数散りばめられています。 何より、人と人との触れ合い、温かさを描いていることから、見ている私たちをとても優しい気持ちにしてくれるのです。脚本家・藤本有紀の絶妙な構成力により、飽きのこない……それでいて感情を思いっきり揺さぶられる作品になっています。

視聴者を優しさで包み込む、音楽の使いどころも絶妙

音楽演出も素晴らしく、ジャズ界のレジェンドたちにより演奏される数々の曲が物語をドラマティックに彩ります。 稔と安子の思い出の曲、ルイ・アームストロングが歌う『On the Sunny Side of the Street』の使い方も絶妙。歌詞の和訳として稔から安子に贈られた「日向の道を歩けば、きっと人生は輝くよ」の言葉は、稔の戦死後もずっと安子を励まし続けます。 そして、結局は会えなかった自分の子どもに、稔は歌い手の名前から「るい」と命名。この名には「どこの国とも自由に行き来できる、そんな日向の道を歩いて欲しい」という願いがこめられています。安子が英語でロバートに稔への想いを吐露したシーンでも、ジャズの音色が安子を……そして視聴者をも優しく包み込みました。
次のページ 
昭和の女性役がハマり過ぎ! “上白石萌音の真骨頂”がここに
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ