「5年後生きてる保証はない」医者の言葉に手術を決意
――本当に、よくぞ今お元気で……と思います。でも、なぜそこまで“休めなかった”のでしょう?
さゆり「そのころ“かつみさゆり”を組んで、ちょうどお仕事もいっぱいいただいているときで。うちは借金もあるし、やっと見通しが見えてきたときだったので、『今休んじゃうと番組のみなさんにもご迷惑かけちゃうし、何よりも休んでお仕事なくなったり支払いできなくなるのがこわい』という気持ちがあったんです。
それでお医者さまに『今すぐ入院して! 今すぐ手術や』って言われたときも、『いや、ちょっと待ってください』と。『今はまだそういうこと、できないんです。このままやらせてほしい』と言ったら、先生が『わかった』と。『
そしたら、君は1年後も芸能人としてお仕事をしていられるかもしれないけど、そのかわり5年後生きてる保証はないよ。どっち取る?』って言われて。
――先生……!
さゆり「それでようやく、『あ、そんな状態なんだ』ってわかって。そのとき初めてかつみさんが泣きながら『もうあかん! 休んでくれ』ってものすごく怒って。それでやっと決心して手術することになりました。そこまでね、あほみたいに耐えてしまった」
お休みは“神様からのプレゼント”だと思える日がきっと来る
――みなさんの期待にお応えしたいお気持ちも、すごく大きかったのでは。
さゆり「そうなんです、迷惑をかけたくなくて。でも、手術のために一ヶ月お休みをいただいたんですけど、
それが今、神様からのプレゼントだったってすごく思うんです。
その期間、私が『休みたくないから』って言ったら、それを聞いたテレビのスタッフさんたちが、『わかった。さゆりが休んでないように見えるようにちゃんと作ってあげる』って言ってくれて。ロケを二本立てにしたりして、すごい工夫をしてくださって。何よりも休んでいる間もファンの方たちがいっぱい鶴を折ってくださったり、声援を送ってくださいました。『こんなに私はみなさまに愛していただいているんだ』ということをすごく実感しましたし、かつみさんへの信頼感も増しました」