――なるほど。子育てに参加する大人の数が多い環境だったんですね。
安達「私が子どもたちを怒ったら、おばあちゃんが宥(なだ)めるみたいな役割分担でした。私は子どもってたくさんの人たちの中で育った方がいいと思ってるんです。家族が多いってことではなくて、周囲に見てくれる人がいるような。少なくとも私が育ってきた浅草はそういう街でしたね」
――近年は母親が子育てに煮詰まった挙句に悲しい結末を迎えたり、毒親の問題があったりと、家庭内の問題が社会問題化している気がします。
安達「親ももっと人を頼った方がいいと思います。私のような祖母の立場にだったり、そうじゃなかったとしても、行政に頼るとかもありじゃないかな。その方が子どもたちにとってもいいような気がします」
――今後、有里さんはどんな人生を送りたいと思いますか?
安達「今更何をしたいとかはないですけど、色々楽しいことができたらいいなとは思います。とにかく、人生を楽しむためにも自分に制限はしないのが一番。今日もキャミソール姿ですけど、年齢を理由に着ちゃ駄目だとは思わないんですよ。年齢を重ねることが怖いなんて思うこともあるけど、そんなの今さらしょうがない(笑)」
――もしかして、また写真集を出したり、演技のお仕事をするなんてことも……?
安達「
写真集は……ちゃんとどこまでならOKとか話し合ったうえで、出してくれるっていう話があったら考えます(笑)。でも、台詞を覚えるとかはもう無理です。映画だって台詞は一行以下、3つまでって約束で出してもらったんですから」
――その当時の経験を活かして、祐実さんに仕事のアドバイスを送ったりは(笑)?
安達「アドバイスなんてしたことありません! 言えるくらいわかってたら、私が女優として大成功してますよ(笑)!」
<取材・文/もちづき千代子 写真/我妻慶一>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama