いじめは注意しても解決するとはかぎらない、それなら
――結局、いじめ自体は解決することはなかったのでしょうか。
安達「多分…。こう言うといじめられた娘にもっと寄り添ってあげれば? という人もいるかもしれません。もちろんいじめなんかいけないし、仲良くしましょうねなんて幼稚園でも言われてることですよね。でも、いじめの犯人が判明したとして、その子が先生から注意されたとする。その時点で本当にその子が納得したり反省したりするとは限らないじゃないですか。
結局、祐実とその子との間に良い関係性は決して生まれない。だったら、アクションを起こすだけ無駄なこと。
祐実が『私は別に話さなくてもいいけど』って精神状態を作ることの方が大事だと思ったんです。無視される排除されるなんてこと、学校以外でもいっぱいありますからね。
難しいことはわからないけど、小さいときから仲良くしましょうね、いじめちゃダメですよって言われ続けることは、きっと人は攻撃的な生物なんじゃないかと勝手に思うんです。じゃなければ仲良くしましょう、いじめるなんて教育する必要がないんじゃなかな」
「起こったことはしょうがない」精神で乗り切ってきた
――祐実さんの場合は、芸能界という居場所もあったわけですもんね。
安達「そうですね。でも芸能界だって興味を失われれば同じこと。学校も、芸能界も、他の場所も、全部同じだと思うんです。ただ、そこだけが世界の全てじゃないってことです。こういう考え方は祖母譲りなんですけどね。
私の祖母は『どうしよう』っていうことが起こっても、『
起こったことはしょうがない』ってキッパリ返す人でした。『じゃあどうするかを考えたほうがいい。しかもくよくよ悩むだけだったら“下手な考え休むに似たり”。ただ悩むだけで結論が出ないなら考えないほうがいいよ』ってよく言われていました。その血は私にも受け継がれていると思います」