幸いにも宿には混浴用の湯あみ着(入浴着)が置いてあり、裸を見られることはなかったはるかさん。でも、入浴中は男性社員たちの舐めるような視線が気になって、「温泉で癒されるどころか疲れが溜まる一方でした」と振り返ります。

「男の人は湯あみを着ないので、露天風呂では当然真っ裸。誰もタオルで股間を隠さず、アソコをブラブラさせながら平気で話しかけてくる人もいました。私も視力がいいので、見たくなくてもアソコがバッチリ見えてしまうんです……。
何度も『アレはエリンギだ。気にしちゃ負けだ』と自分に言い聞かせていましたが、本当は一刻も早くその場から逃げたかった。結局、これがトラウマになったのか、しばらくはエリンギを食べることができませんでした(苦笑)」
後日、猛抗議して混浴温泉はこの年限りになったのでしたが、その反動からか今度は宴会でハメを外しまくる男性社員が続出。

入社2年目の慰安旅行では混浴がなくなったことではるかさん以外の若い女子社員も参加していましたが、彼女たちにお酌をさせるだけでなく、お触りをしてきたり、酔って目の前で全裸になる男性社員もいたそうです。
「けど、こっちも徐々に免疫ができたというか、悪い意味で慣れてしまうんです。嫌なのは変わらないけど、“2日間我慢すれば済むこと”だと思うようになったんです」
ですが、昨年10月に行ったばかりの慰安旅行では、これまでのような数々のセクハラ行為は一切ありませんでした。それはどうしてでしょうか?
「外資系保険会社で勤めていた社長の娘さんがウチの会社に入ることになったのですが、慰安旅行の実態を知って、『無礼講=セクハラOKって解釈はありえない!』ってブチキレたんです。
で、慰安旅行はありましたが宴会は今回から無し。酔った上司に絡まれることもなく、入社以来はじめて慰安旅行を心から楽しめました」
ふだんは紳士的でしっかりしている上司や同僚でも、無礼講で本性を現すこともあるんですね。突然セクハラ魔に豹変するケースもあるため、ぜひ気をつけましょう。
―
私達の身近な「セクハラ」 ―
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<TEXT/トシタカマサ イラスト/鈴木詩子>
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。