その後、先住猫のアビシニアンが天寿をまっとうし、飼い主さんは新たに里親募集サイトで出会ったキジネコくんをお迎え。

当時、生後1ヶ月だったキジネコくんは、ボスくんを追いかけすぎてお叱りを受けることもありましたが、2匹は一緒に眠るほどの仲良しになりました。
「年下のキジネコくんが、ボスの毛づくろいをします。ボスは耳が汚れやすいのですが、キジネコくんのおかげでピカピカ。耳掃除の手間がなくなり、助かっています(笑)」
ただ、キジネコくんがおうちにやってきてから、ボスくんは「かがむと背中に乗る」という特技を見せてくれなくなってしまったため、飼い主さんは少し残念に思っているのだとか。

もしかしたら、ボスという名前にふさわしい姿を弟分に見せようと、甘えん坊な行動を封印したのかもしれません。
保護当時も、少しボケてきたように感じる今も変わらずかわいい。ボスくんに対して、そう愛情を向ける飼い主さんは保護猫を迎える中で、世の中には動物たちのために人生を捧げている人や、さまざまな事情によって愛する動物を断腸の思いで手放さなければならない人がいることを知りました。

だからこそ、飼育が困難になった時は遺棄するのではなく、助けを求めてほしい。そして、苦渋の選択を迫られている飼い主には批難ではなく、救いの手が向けられてほしいと願っています。
「命を飼うということは、その子の人生を背負うこと。もちろん、最後まで責任を持つことが大前提ですが、やむを得ない事情で飼育が困難になることもあるのかなと。その時に相談できるのが、SNSという場所ではないかと思うんです」
そう語る飼い主さんには、ボスくんの元飼い主さんに伝えたいことがあります。

「置き去りにした時、どんな想いだったのでしょうか。きっと、捨てるほうもすごく辛かったのではないかと……。もし、今でも罪悪感を抱えて過ごしているのであれば、安心してくださいと伝えたい。我が家で王子のように大事にしています」
人間の事情で突然、居場所を失ったボスくん。彼は第2の家族に愛され続けながら、穏やかなシニア期を過ごしています。
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<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
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愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291