不要な整形手術は、子どもの心に傷を残すかもしれない
――実際、YouTubeで整形動画を公開された9歳の娘さんは、整形後の顔のほうが好きか尋ねられて「わかんない」と答えているとか…。
上原「その9歳の子は、妹には整形手術をやらせたくないとも言ってるみたいです。しかも、
15分で終わる手術が2時間かかって、ギャンギャン泣いているんですよ! 今の日本の文化では、一重より二重のほうが美人で可愛いと思う人も多いのかもしれないけど、そこまでの意識がない子に、親の価値観を押し付けるのはどうかと思います。
もし仮に子どもが一重で学校でいじめられてるとしたら、親だったら『整形しよう』じゃなくて学校に乗り込めばいいじゃないですか。
そこで二重にしようなんて言ったら、やっぱり一重の私は可愛くなかったんだ…みたいな心の傷も残ってしまうと思う。とくにティーンにもなってない子どもには、顔を変えて可愛くするんじゃなくて、あなたは今のままで十分可愛いし、素晴らしい価値のある人間なんだよって教えるべきだと思います」

――それでも、ローティーンや子どもに整形を勧める広告や、実際子どもが整形したという報告が後を絶ちません。
上原「最後の砦になるのは、我々医師だと思います。9歳、10歳で無理やり手術をするのはおかしい、少し大きくなったらやりましょうねって医師として止めるべきです」
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小学生を狙った“美容整形の宣伝”が恐ろしい。「心の傷になることも」医師が警鐘
【上原恵理先生】
形成外科認定専門医・美容外科医・美容皮膚科医として美容クリニック及び大学病院に勤務。正しい美容・医療の知識の情報をSNSで発信し、多くのフォロワーに支持されている。著書に『
すっぴんクオリティを上げる さわらない美容』『
医者が教える 人生が変わる美容大事典』(ともにKADOKAWA)。Twitter:
@dr_uehara、instagram:
@eri.uehara、YouTube「
えりりんちゃんねる」
<取材・文/満知缶子>
満知缶子
ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。