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疲れきった妻に「今日だけ頑張れない?」とセックスを迫り…“レスられ夫”の身勝手さが空回る|ドラマ『あなたがしてくれなくても』

 夫婦のタブーに切り込んだ、30代男女の禁断の恋愛ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)。話題のドラマを、夫婦関係や不倫について著書多数の亀山早苗さんが読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。 【前回記事】⇒あえて“夜10時”にセックスレスのドラマを放送する意義。レスは「人を傷つける」|ドラマ『あなたがしてくれなくても』
『あなたがしてくれなくても』

『あなたがしてくれなくても』第2話より© フジテレビ

妻が本当は何をしてほしいのか、想像できない“レスられ夫”

 ドラマ『あなたがしてくれなくても』の第2話は、みち(奈緒)と陽一(永山瑛太)、誠(岩田剛典)と楓(田中みな実)、2組のレス夫婦の内情が描かれていた。  誠が楓に惹かれたのは、父に耐えながら尽くす母の姿を見ていたから。自分の意見をもって自分の道を突っ走る楓を支えたいと思ったと独白する。しかし、誠の「きめこまやかな支え」は、ある意味で独善的である
『あなたがしてくれなくても』

第2話より

 遅く帰ってまだ仕事をする妻に、ハーブティーをいれる誠。妻としては「もう寝て」と言うのに、「このぐらいさせてよ」と言ってしまうところに、「本当は相手は何をしてほしいのか」を想像する視点がない。

疲れきった妻に「今日だけがんばれない?」とセックスを促す

 妻と向き合いたいと言いながら、結婚記念日にディナーとホテルを予約、部下のミスで仕事をせざるを得ず、遅れてホテルにやってきた妻に「今日だけがんばれない?」と優しい口調でセックスを促す。なんだかなあという感じだ。座ったとたんに寝落ちしそうなくらい疲れている妻に、がんばれないかとセックスを強要するのはどうなんだろうか。がんばって応じてもらったら、愛を感じ取ることができるのだろうか。
『あなたがしてくれなくても』

第2話より

 楓は「いいよ、わかった。それで誠が満足するなら」と言いながら寝室に向かい、自ら衣服を脱ぎ始める。そこでいたたまれなくなる誠。もういい、わかったからと妻を抱きしめると、「あたしだって遊んでるわけじゃないんだよ」と妻は叫ぶ。このあたりは深夜に泥酔して帰って妻に「遊んでるわけじゃねえんだ」と恫喝する昭和の男に近いものが、妻側にある。歩み寄れない夫婦なのだ。  尽くせばわかってもらえる、尽くせばいつか返してくれる。そう思うことじたいが、どこか情けない。親の顔色をうかがいながら育った誠は、今、妻の顔色をうかがって生きている。
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他の女に「欲情スイッチ」を押してもらった夫
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ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)は毎週木曜よる10時より放送中。第3話は4月27日(木)。
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