自分に苛立ちを感じながら、妻以外の女性に惹かれていく
一方のみちと陽一だが、そもそもみちがどうして陽一を好きになったのかがいまだに見えてこない。今の一方的な夫婦関係を見ていると、みちが陽一に惚れ込んで押しかけ的に一緒になったのではないかと邪推してしまうほどだ。

第2話より
カフェの店長である陽一は、店の前で工事の警備をしていた結衣花(さとうほなみ)にアルバイトを志願され、手伝ってもらうことになった。結衣花は自由人だ。決まった仕事もなく、ふらりと旅をしてそのまま住み着いたりしているらしい。陽一自身、自由になりたいのになりきれない自分に、どこか苛立ちを感じているのではないだろうか。だから彼女に惹かれていく。
そして衝動に任せて彼女とキスを交わすが、それ以上の関係には踏み込まず、後ろめたさから花を買って帰宅する。夫が花を買った理由など知らないみちは、うれしくてたまらない。それが夫の愛情と信じているからだ。さらに陽一は結衣花に欲情を刺激されたのだろう、みちとベッドになだれ込む。
愛情からだと信じている妻と、他の女に欲情スイッチを押してもらった夫。この齟齬(そご)の大きさに気づいていないふたりだが、もしかしたら「夫婦とはそんなもの」なのかもしれない。

第2話より
情けない男にもクズな男にも、それぞれ魅力はある。
今後、みちは、このふたりの間で揺れ動くのだろうか。とりあえず、「レスの戦友」である誠と、「試しにしてみる」という方向にはいかないのだろうか。
謎の女・結衣花の存在も、これからどういう影響があるのか興味がわく。一見、サバサバしているように見えながら、その裏で人の夫を寝取って粘着するというステレオタイプでないことを祈りつつ……。