セックスレス解消のきっかけは、夫の“裏切り行為”。それでも結果オーライと言えるのか|ドラマ『あなたがしてくれなくても』
ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系、木曜よる10時~)の第2話が放送され、徐々に登場人物の関係性や、各々の抱える葛藤が見えてきた。
第1話ではみち(奈緒)と陽一(永山瑛太)の吉野夫妻と同様、新名誠(岩田剛典)も妻の楓(田中みな実)とのセックスレスに悩んでいることを話していた。第2話では、新名家が吉野家とはまた違った深刻さを抱えていることがわかった。
【前回記事】⇒セックスレス妻の心を折った“夫の強烈な一言”。殺傷力の高さに絶望|ドラマ『あなたがしてくれなくても』
まず楓はファッション雑誌『GINGER』の副編集長として多忙な日々を送っており、不仲ではないが誠とのコミュニケーションはほとんどとれていない。そのため日々、着実にすれ違いを重ねている。誠はそんな状態に不満を感じている様子だが、職場とは違い、家庭では良く言えば“尻に敷かれている”、悪く言えば“主従関係ができている”ために楓に遠慮するばかり。
勇気を出して自身の思いを伝えてほしくもあるが、誠は父親の顔色ばかりを気にする母親の姿を幼少期から見てきたため、夫婦間でどのようにコミュニケーションを取って良いのかわからず、今日までズルズル来てしまったのだろう。だからこそ、結婚してからの7年間、現状維持を続けてきた結果、まろやかでありながらも修復不可能な関係に陥ってしまったようだ。
楓はというと、誠だけでなく部下への接し方も厳しく、不快感を覚えそうになるが、好き勝手で仕事に打ち込んでいるわけではない。編集長の圭子(MEGUMI)から言われた「結婚したり出産したりするとさ、会社って親切なフリして時間に余裕のある部署に回そうとするじゃん」「そういう女の必死さって(男には)わかんないんだよ。油断したら足をすくわれる怖さ、積み上げてきたキャリアを一瞬で奪われる危機感」という話に強く同意している。
楓は仕事にかける情熱が人一倍であり、だからこそ、女性であるということでいつ主戦場から外されるかもわからない恐怖心と戦っている。だからこそ、家を空けることが多いのだ。睡眠時間、さらには誠との時間を削ってでも仕事に邁進せざるを得ない様子。であるならば、そういった不安を楓が誠に話せていればもう少し状況は変わったのではないか、と思えてならない。
なんにせよ、どちらかが悪いわけではなく、決して相性が悪いわけでもない2人だからこそ、コミュニケーション不足によって心が離れていってしまうことにもどかしさを覚える。それと同時に、夫婦生活を“いつも通り”で過ごすことの危険性も感じた。
妻と夫の“主従関係”ができている新名家
相性は悪くない2人、だからこそもどかしい
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ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)は毎週木曜よる10時より放送中。第3話は4月27日(木)。
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