結婚もしてないのに減っていく会話。セックスレスの悩みも

周囲の友人はNさんとの同棲生活に苦言を呈しました。
「いくらなんでも同棲が長すぎる!」、「結婚の話をはぐらかす男はダメ!」、「多忙を言い訳に結婚を逃れたいだけでしょ」と、旧友たちの間で厳しい意見が飛び交います。
悩みつくした頃すでに彼女は34歳。同棲から5年、交際からは7年もの時が経過していれば、そう言われるのもちょっぴり無理はないでしょう。
元子さんは激しく悩みました。なぜならカップルとしての関係こそ良好で、Nさんの人間性には何の不満もありません。
暴力やモラハラも、お金の問題も一切ないので、問題は結婚をしてくれない点だけ。今更この年齢で新しいパートナーを探しても、いい出会いがあるかは分からないもの。だからこそ別れる踏ん切りがつけられないのです。
けれどもどんどん会話が減っていき、見事にセックレス“気味”。籍もいれていないのに2人の生活には新鮮さが消え、それが余計に彼女の心を苦しめるのでした。
「周りの意見に素直に従えず、Nくんと別れられなくってズルズルいってしまいました。今更同棲を解消するのも面倒だし、新しい人が見つかる気配もない。自分を騙し続け“まぁいっか”と納得させていたんですけどね。やっと目を覚ましたのが37歳の時。ようやく色々と吹っ切れて、冷静に別れを告げることができました」
彼は難色を示しつつも別れに承諾。彼が結婚の話を持ち出さなかった理由を最後に聞き出すと、「自由でいたかったから」とのこと。
最初は多少なりとも結婚願望があったものの、2人で暮らすうちに変化を求めなくなってしまったそうなのです。仕事が充実していて彼女との関係も問題がない。これ以上環境が変わるよりも、安定した仲と自由な日々が欲しかったからこそ現状を維持し続けたのでした。
元子さんが結婚について言及しなかったことも、彼がゴールインを真面目に考えなかった理由の一つ。「深く追求してこないからそれでいいのかと思った」と最後に言われた時、開いた口が塞がらなかったとか。
「8年も付き合っててちゃんとした話し合いとか、意思確認さえできていなかったことがもう……って感じ。“察して”状態だった自分も悪いですし、普通ならあり得ない話ですが、何もしないまま私たちは8年間も過ごしてしまいました。いい大人なのに情けないです。
長い間一緒に過ごしたからお互いの荷物も多く、同棲解消もラクなものじゃありませんでしたよ。嫌いで別れたわけじゃないから、去り際もなんとなく物悲しかったですしね」
話によればNさんは現在も独身でおひとり様を楽しんでいるご様子。SNSでは趣味の投稿も多く、楽しそうに過ごしている姿を見ると元子さんは心がモヤついてしまうそう。
「子どもはもういいけど、未だ結婚願望は捨てきれない」と語る彼女。けれども前と同じような経験を二度としたくないと思うだけで、なかなか前へ進むことができません。
決別の覚悟がもっと早く着いていれば、元子さんは深い傷を負わずに済んだのでしょうか。それともNさんが途中で結婚に踏み切れるようになれば、彼女は理想とする幸せを掴めたのか……。
いずれにせよ、交際中はお互いの恋愛観や結婚への意識を必ず確認すべき。
後悔先に立たず――、恋愛の傷はその後の人生も大きく影響するため、元子さんが一刻も早く立ち直れるよう心からエールを送りたいと思います。
<文/たかなし亜妖>
たかなし亜妖
元セクシー女優のフリーライター。業界卒業後は一般企業へ入社。ゲーム制作に携わった過去を持つ。好きな物は漫画、アニメ、映画、美容、占い。そろそろ顔面課金額が数百万円を超えるとか。日刊SPA!等多方面で活躍中。
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@takanashiaaya