悲しみに暮れる暇もない、父の葬儀で起きた予期せぬハプニング。「早く終われ」と願うだけ、簡単には解決できない事情が…
いつか必ず死を迎えると分かっていても、近しい家族を見送るのは辛く悲しいものです。
だからこそ、故人を見送る「お葬式」は個人に思いを寄せたいものですが、日高恵子さん(仮名・42歳)は「あるハプニング」のせいで、悲しみどころではなかったと言います。
いったい、なにが?
「もともと身体が弱かった父は、肺や心臓が弱く、入退院を繰り返していました。実家は田舎でしたが、わたしは都内で一人暮らしをして仕事をしていたので、看病は母に任せきり。ですが、いよいよ危ないとの連絡を受け急いで帰省したその日に父は亡くなりました」
母は呆然として、お葬式の手配などできない状態。
仕方なくひとり娘だった日高さんがすべての葬儀を取り仕切ることになったそうです。
その中で、積極的に動いてくれたのが、両親が経営する店を手伝ってくれていたSさんという人。ただ、このSさんが後々、ハプニングの火種となります。
「当時、父は小さな商店を経営していました。そこで支えとなっていたのがSさん。父が入院して動けない間は、運転ができない母を店まで送り、1人で切り盛りする母と共に店を回してくれていたようです。
離れて暮らしていたので、詳しいことは分からなかったのですが、父は自分の死後も店の運営、母を支えてくれるよう、Sさんにお願いしていたようです」
Sさんは物静かな人でしたが、父亡き後の役所や事後処理などに加え、日高さん一家の運転手まで。
日高さんと母、そしてSさんの3人で家族葬のような形で、お通夜を執り行いました。
抜け殻状態の母の代わりに、葬式を手配

写真はイメージです(以下、同じ)
両親を支えるSさんとは?
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