――体でも考え方でも、20代から30代になって、さとうさん自身が感じる変化はありますか?
さとう「私のなかで30歳への恐怖みたいなものは25歳の頃に来ていました。あと5年で30歳だ! と。20歳から25歳までがすごく早かったんですよね。それこそさっきお話したように、寝ずにバイトして、今もガムシャラな私が、さらにガムシャラに生きていた時期だったので、すごく過ぎるのが早くて。この速度で30歳になっちゃったらマズイぞと思って。
でも27歳ぐらいのとき、25歳を過ぎたからって、別に何も変わらないなと思って。だったら、30歳になったって、何が変わるんだ? 何も変わらないじゃん。怖くないじゃん、と。今、34歳になりましたけど、年齢じゃないなと。年齢じゃなくて、積み重ね方だなと」
――年齢ではなくて、積み重ね方。
さとう「はい。大切なのは時間の積み重ね方だと実感しています。確かに、すごくいい作品に出会えたり、いい人に出会えたりして、素敵なことがたくさん増えて、いい年月を重ねているなと感じてはいますが、それが、年齢がどうだからとは特に思いません」
――ありがとうございます。ちなみに、いい作品との出会いというお話がありましたが、今年は『あなたがしてくれなくても』もとても評判になりました。さとうさんが演じた三島結衣花もとても印象的で、反響もすごかったかと。
さとう「本当にすみませんでしたって感じです(苦笑)。既婚者の方から嫌われてしまったんじゃないかと。私自身はそんなことするタイプじゃないんですよ」
――そんな、なぜに謝るんですか(苦笑)。すごく刺さるとてもいいドラマでした。反響がすごかっただけで、嫌われたなんてことはないと思います。
さとう「そうですか? あの頃はすごく嫌われていた印象で。ただ、あの……、あのときは、ドラマで浮気をさせていただいていた方(永山瑛太)と、“こういうのは嫌われてなんぼだよね”と、お互いに励まし合って頑張って撮っていました(苦笑)」
――そうだったんですね(笑)。本作ではまた全く違った愛の形が観られますね。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi