スーパーの店長と店員の不倫よりももっと闇が深いのは、その息子だった。心の声が怖すぎる
実はエディプスコンプレックス?
朝、深愛の手作りおにぎりをほんとうに美味しそうに食べながら、ハルキは聞く。「深愛さんは、将来、子どもほしいですか?」。深愛は、「うん」と答える。するとハルキは、心の中で、「それは誰と作るつもりなんですか」と呟き、もし他の人なら、「そいつ殺していいですか」と言う。
おお怖っ。もっとも恐ろしいのはやっぱりハルキなのだ。不倫相手である父親を殺し、どこかで母のような愛情を感じている深愛と結ばれたい。ハルキは実はエディプスコンプレックス(一般に“男児が無意識に、同性の親である父を憎み、母に対して性愛的な感情を抱く傾向”のこと)なのではないか。
パラサイト不倫が、何とエディプスコンプレックスにまで行き着いてしまった。それだけ本作の人間関係と恐怖の連鎖、そしてその仕組みは、複雑に入り組んでいるということだ。
<文/加賀谷健>
- 土曜ナイトドラマ『泥濘の食卓』8話より ©テレビ朝日(以下、同じ)








