私ははっきり、婚活のための上京はお勧めしないと伝えました。
地方だとあまり聞かないけれど、東京だと聞くお断りの理由は「歯並び」や「学歴」などです。外見もスペックも、地方より高いのが「当たり前」なのです。
「東京はキレイで垢抜けて高学歴な女性が多いから、東京で婚活するとA県にいた時よりライバルがもっと強くなるんですよ。素敵な男性は地元より多いけれど、素敵な女性も多いんです。
麻衣さんはA県で人気上位女子になることはできると思うけれど、東京だと垢抜けないほうになると思うの」
「そうなんですか。じゃ、何をすれば?」
「結婚相談所は会員が少ないから、マッチングアプリのPairsも併用しましょう。一番ユーザーが多いのがPairsなので地方でも会えますよ。あと結婚相談所とマッチングアプリの写真は東京で撮ろう」

地元の結婚相談所から勧められたスタジオで撮ったという婚活写真は、まるで入学式に参加するお母さんのようです。麻衣さんのせいではなく、地方の写真スタジオはどこで撮ってもそうなりやすいのです。
麻衣さんは東京に来て写真を撮りなおしました。
「
全然違う! 前の写真では大人しそうに見えたのか、会った人に『意外としゃべるんですね』って言われることがあったんです。この写真の方が明るくて、若く見えます」
マッチングアプリのPairsは金曜日の夜に登録しました。これは、新規登録で注目される3日間を週末に合わせて有効に使うためのテクニックです。麻衣さんには400以上の「いいね」が集まりました。その中で年齢・居住地などでふるいにかけながら、数十人とマッチングします。
婚活を始めた当初は、いい人がいたら相手に合わせて引っ越して、相手の地元で仕事を探しても良いと思っていた彼女。しかし、
「いい人」になる前の状態で、遠くに住む人と会うのが極めて面倒くさくて続かないのだそうです。麻衣さんには男性と“試しに会う”のが億劫(おっくう)になりやすいという悩みがありました。
そこで、マッチングした男性にはメッセージを3往復した時点で通話を提案するようにしてもらいました。Pairsの通話は最大15分ですが、プロフィールだけではよく分からない相手の雰囲気が分かるのでおすすめです。
なお、数十人とマッチングしても通話までできたのは十人前後だったそうです。