
「同じ部屋の中に、そんな犯罪じみたことをする人がいるっていうのが、気持ち悪くて、部屋を解約するまでは地獄でした。家にも帰りたくなくなって、ネットカフェやホテルなどを転々としてなるべく帰らない工夫もしていたのですが、それにも限界があります。もちろん、彼は謝罪してくれたんですけど、もう二度と信用することなんてできません」
ミユキさんの心理的ダメージは大きく、会社にも出社することができなくなってしまいます。心身に不調が出てそのまま会社を退職し、逃げるようにして実家の福岡に帰りました。
「なにより、人間を信用することができなくなってしまったのが辛いです。仕事もできて、性格も良いと思っていた人がこんなことをするなんてショックです」とミユキさんは語ります。現在は精神科に通いながら療養生活を実家で送っています。
もしかしたら、彼にも、お金をどうしても工面しなければならない理由があったのかもしれませんが、彼のしたことは到底許されるものではありません。そのような卑劣なことに手を出す前に、ミユキさんに事情を打ち明けていれば、こんな悲劇にはならなかったでしょう。
―シリーズ「
クズ男ダメ男エピソード」―
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<文/浅川玲奈>
浅川玲奈
平安京で生まれ江戸で育ったアラサー文学少女、と自分で言ってしまう婚活マニア。最近の日課は近所の雑貨店で買ってきたサボテンの観察。シアワセになりたいがクチぐせ。