「子どもがアイスばかり食べる」は叱らなくていい!覚えておくと安心な“ひとつの数字”
大好きなアイス、安心して食べさせたい。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、「一生モノの能力を養う食育」についてさまざまな実践法を提案しています。
ある日、保育園児を育てるママさんから食育に関する相談をいただきました。それは、「うちの子たち、毎日アイスばかり食べているのですが、大丈夫でしょうか?」というお悩み。
特別な健康問題があるわけではなく、子どもたちの食習慣が心配で打ち明けてくれたのです。実は私、リアルな食育を研究する立場として、長らくの間「アイス」について矛盾を感じています。
それは、好きな洋菓子ランキング1位(※)であるにも関わらず、子どもに食べさせることに自信が持てずにいる親が少なくないこと。この状況を、シンプルかつ良い方向に解消したいと考えました。
結論から申し上げれば、アイスは悪ではありません。食べ過ぎを悩んだりしかりつけるのではなく、まずは子どもの間食(おやつ)についてのキホンを知ることだけで、多くの心配がすっきり解消するでしょう。
そして後半では、子どもと一緒に食べて嬉しい!今年オススメの最新アイストレンドを厳選してご紹介したいと思います。
※2024年2月13日に発表されたLINEヤフー株式会社のリサーチより。調査対象は10代~60代の男女5256人
まずは、おやつの基本について確認をすることからはじめましょう。
日本小児科学会、日本小児保健協会、日本小児科医会、日本小児期外科系関連学会協議会の4団体から構成される、日本小児医療保健協議会(四者協)の栄養委員会が作成した「幼児肥満ガイド」の中で、間食についての明確な言及があります。
その内容を箇条書きしてみました。さあ、みなさんはどの程度できていますか?
・間食の適量は個人差があるものの、1日に必要なエネルギー量の10~15%が適当
・次の食事に響かないようにする
・子どもにとっておやつは楽しみの一つなので、子どもにも分かるように適量を教えていくと4歳頃も自分で調整できるようになる
・与え方で注意すべきは、出かけるときは必ずおやつを持ち歩く、駆け引き(例:嫌いなものを食べたらお菓子をあげるなど)に使う、移動中に子どもをおとなしくさせるために食べさせる、ご褒美(留守番、手伝い等)に好きなお菓子を与えるなど
・子どもの欲しがる欲求に根負けしないとも大切
つまり、ひとつ覚えておくと安心なのは、全体エネルギーの1割程度を意識すればいいということ。具体的な数値として記載されているのは、1~2歳は約100キロカロリー、3歳以上は約200キロカロリー。さらにこのルールに従えば、10歳以上は300キロカロリー、15歳以上は300~400キロカロリーという計算になります。
アイスの熱量を調べていくと、雪見だいふく1個83キロカロリー、パピコ1本89キロカロリー、チョコバッキーバニラ154キロカロリーと、スナック類やチョコレートなど他のお菓子に比べると低カロリーで調整がしやすい数値なのがわかります。
どんな食品も食べ過ぎは身体に負担がかかりますから、何本も食べ続けることが日常化しないように親子間で確認していけばよいと思います。
※参照:日本小児医療保健協議会 栄養委員会「幼児肥満ガイド」
今回改めて丁寧に調べてみましたが、アイスが身体に悪いというエビデンスありきの提言をしている専門家はいません。
一方でおやつの食べ過ぎに警鐘を鳴らす、対策を指南しているケースは発見することができます。なかでも重要なのは、おやつを食べ過ぎてしまう子どもに対して、量をコントロールしてあげられるのは親の役目であるということ。
私自身も小学生の子どもを育てる立場として、たくさんの失敗を経験しています。アイスをたくさん食べ過ぎたときに体が冷える、夕飯が食べられないという経験から学ぶこともあるでしょう。
重要なのは、無闇にしからないこと。アイスのせいにしないことです。おやつの習慣については、勉強と同様に子どもの“習い性”を信じ、焦らず見守るスタンスが良いと考えています。一緒に対策やルールを考えていくことで、気がつけば子ども自身で調整することができるようになります(ただし、アレルギー対策については親の入念な事前対策が重要です)。
こんなの当たり前の話だろ? と思う人もいるかもしれません。でも、このようなことを話している食の専門家がいないからこそ、今回あえて書かせていただいたことをお許しください。
さて、ここまではちょっと堅いお話でしたから、ここからはアイスの楽しい話を。親の心配事を吹き飛ばしてくれるような、安心、ヘルシー、おいしい新作アイスが続々登場しています。