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「そんな正論、聞きたくない!」娘が40℃発熱でも病院に連れて行かずキレる“自然派”妻。極端なオーガニックにハマった末路とは

熱が40度近くまであがり、ぐったりしている。しばらく様子を見ていたが、もう病院へ連れていくべきだとダイスケさんは判断。しかし、妻がそれを拒否した。レメディを与えていれば、問題ないと主張する。 「つらそうにしている娘が心配で、とにかく一度診察を受けさせたいと必死で説得したんですよね。様子を見るタイミングは過ぎている。お願いだから、病院に連れていかせてくれと」 ホメオパシー妻202408すると、落ち着いた様子で看病していた妻が突然、激昂した。 「うっるさああああーーいいぃ! そんな正論、聞きたくない!! 私を否定しないで!!!」 ホメオパシーで、心の平穏を取り戻す必要がありそうである。

妻の怒りポイント

ヒステリックに放たれる言葉を拾い集めて要約すると、療法のよし悪しではなく、「自分が否定された」というのが怒りのポイントであった。夫婦関係や育児のなかで積み重なってきた、わだかまりがあったのだろうか。 「そんなつもりはない。いつも感謝している。でもいまはとにかく娘がつらそうだから……と必死に説得し、なんとか病院に連れていくことができました」 ホメオパシー妻202408その後、ネットで見かけたホメオパシーの情報では、“同種療法”という考えのもと「火傷は温める」「熱中症には熱い風呂」という過激なものもあった。 「幸い妻はそこまでディープな実践はしていなかったと信じたいですが、もし子どもたちが……と想像してしまい心底怖くなるんです」 妻が「自然な育児」に傾倒していったのは、もともとの方針に加えて「ママ友コミュニティ」の影響が大きかった、ダイスケさんはふり返る。 産後に夫婦で参加した、自治体の育児教室。そこで親しくなりママ友となったグループが、「オーガニックな子育て」を発信するグループであった。そのママたちは育児中でもバッチリオシャレをキメ、立派でセンスのいい家に住んでいた。

ママ友たちのキラキラSNS

中心人物の家に頻繁に集まり、オーガニックの講習会に出かけたり、アロマクラフトを楽しんだり、ヴィーガンおやつを作ったり。「免疫を高めよう! 能力開花!」と謳って、ゴマ油でベビーマッサージしている写真をSNSにアップしたり。 ダイスケさんはそれを”キラキラ発信”と表現する。 ホメオパシー妻202408「妻も感化され、SNSに自然派育児生活みたいなノリの発信が多くなりました。体は食べたものでできている、病院に行く前にママができること、キレない子どもの育て方、子どもの脳を育む本物の~、みたいな。子どものためにやっているという前提はありますが、自己実現の要素が増えてきたんですよね」 なかでも一番違和感を覚えたのは、子どもをアクセサリーにしているように見えたことだという。 「うちの子カワイイでしょう? という気持ちはわからなくもありません。でも、こんな育児の成果が……というノリも感じられ、すごくイヤだった。妻たちのそういう活動を見ていると、平凡なお母さんにはなりたくない、クリエイティブでおしゃれなママになりたいという、ふわっとした願望を感じましたね」
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育児に迷い、自己実現したい母たちの煩悶
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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