朝ドラ『虎に翼』第1回と最終回を綺麗につなげた!“39歳俳優の顔の付着物”とは
第1回と最終回をきれいな一本線でつなぐ
画面に目を向けさせた存在
優秀な判事として信念を貫き通して、長官にまでなった桂場がきちんと付着物をともなって登場することにより、第1回と最終回が、きれいな付着物サンドイッチとして一本線でつながる。 第23週第111回の原爆裁判以降、加速度的に戦後の社会問題を解説する授業と化した本作にあって、時間経過とともにどんどん無駄な動きを省いていく松山ケンイチが、桂場等一郎そのものを見つめるということを促した。 本作についての各メディアの記事も、原爆裁判だけでなく、同性愛や夫婦別姓、尊属殺など、現代史の諸問題を作品背景として語るものばかりだった。けれど、そうした実際の画面上には写っていない要素やテーマ性ではなく、常に画面上に写っていることに目を向けさせたのが、桂場等一郎の存在だったと思う。 それだけに桂場は貴重な存在であり、本作全体を映像作品として純粋に守り抜くような役割を担った。寅子を筆頭にあらゆる登場人物を演じる俳優たちが、社会的テーマ性に気を配り過ぎるあまりに演技をやや硬直化させていた。その一方で、桂場役の松山だけがただひとり、一貫して画面を注視させ続けてくれた。電話等一郎#虎に翼 #桂場等一郎 pic.twitter.com/MHj7aZ5Mwt
— 松山ケンイチ (@K_Matsuyama2023) September 15, 2024
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