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慶應M-1王者に続く早稲田卒23歳R-1優勝「お笑いやりたきゃ名門大へ行け」時代到来!賞レースで勝てるワケは?

審査員増員は成功。さらに増やしてもいい

――陣内智則さんは田津原理音に最高得点をつけていました。あの2人も大きく括ると同ジャンルですよね。 <陣内さんの「嫉妬しました」は本心かもしれません。彼が考えた「俺だったらこうする」の予想を、田津原が超えてきたのだと思います> ――審査員の中では、野田クリスタルさんと今回初審査となった佐久間一行さんが全てのネタに得点差をつけていたのも印象的でした。 <佐久間さんのあの空気感や場を柔らかくする言葉選び、素晴らしかったですね。それだけで得点をつけずとも役割を果たしている感がありました。 佐久間さんはほぼ全てのピンネタジャンルをコンプリートしているんですよ。一人コント、しゃべり、フリップ、歌ネタ、ギャグもやるオールラウンダー。そのうえネタを作り続けているからこその審査員選出だったと思います> ――では、今回の審査員増員は成功だったのでしょうか。 <そうですね。さらに増やしてもいいと思います。ジャンルフリーの大会だからこそ、もっとバラエティ豊かな人選でも面白くなるはずです>

“単発ネタの羅列が評価されない”説にはもどかしさも

――最終決戦に進んだのは、田津原理音、ハギノリザードマン、友田オレの3組でした。 <まだR-1に馴染のない、わりと新鮮みのある面子が揃ったかな、と。田津原理音は前々回チャンピオンですけど(笑)> ――田津原理音は去年まで大阪を拠点にしていた分、手の内が明かされていなかったのかも。しかし、1本目の取扱説明書のネタの緻密さには驚きました。 <2本目はシンプルでしたけど、1本目は喋りながら手を動かしてという技術的にもとても難しいことをしているんですよね。バカリズムさんもコメントで触れていましたが、絵と矢印だけで表現する縛りがある中、内容はしっかりバカバカしいというところが評価されたのだと思います。 今回で平場が“銀河一面白くない”ことが浸透したので(笑)、そこにも価値が出てきたらさらなる飛躍を期待できそうです。お笑いは、どんなことでも1番だったら価値が生まれる世界ですから(笑)> ――準優勝のハギノリザードマンは、『細かすぎて伝わらないモノマネ』や『千鳥のクセスゴ!』など、ショートネタのイメージが強かったのですが。 <私は彼のネタをそういった番組などで知っているので、R-1が初見だった人がどう思ったのか気になるところではあります。ショートなどの瞬間芸が魅力の芸人が、賞レース用にコント仕立てにするのって、個人的には思うところがあるんですよ。本来の面白さが削られているような気がするんです> ――なるほど。逆にコント仕立てにすることで、技術の幅を見せてもらったようにも思いましたが。 <もともとはコンビでコントをやっていたので、そのあたりの腕はあるはずです。でもやっぱり、“R-1では『続きまして~』のブリッジで繋がれたような、単発のネタの羅列が評価されない”という定説は、少しもどかしくはありますね>
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王者・友田オレはロバート秋山や友近路線もあるかも
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