――今、御社の職場にはどういった猫ちゃんたちがいるのでしょうか?
池田:事務所には、僕たちが飼っている猫を連れてきています。毎日、僕と一緒に車で来て一緒に帰ります。
――だいたい、いつも何匹くらいの猫ちゃんたちがいるのでしょうか?

ブリーダー崩壊から引き出した全盲の女の子・きなこちゃん(2歳)。同社の最年少だ
池田:私は6匹飼っていまして、岡本が飼っているのも6匹。僕はペットショップから引き取った子もいれば、保護猫活動をやっていくなかで多頭飼育崩壊から引き出した子、知り合いが引っ越しで飼えなくなった子を引き取ったりするなかで今の6匹に至りました。そして、岡本のほうは基本的に保護猫で引き取った子たちばかりです。事務所に来ているのは、毎日4匹ぐらいですね。
――社内で猫を飼うようになったのは、保護猫活動をしていたという始まりがあり、そこから自然と一緒に働く職場ができ上がったということですね。
池田:そうですね。猫を保護して里親さんにつなげるまで、探す間に1~2カ月は一緒に事務所にいることになります。人慣れや病気の通院をさせないといけないですからね。
岡本:SNSで投稿するために可愛い写真を撮らないといけないのもあって、常に事務所で一緒にいます。
池田:あと、保護猫団体さんの譲渡の仕方は譲渡会を開いて実際に来てもらうという方法が主です。しかし、皆さん働いているなかで開催されるので、どうしても月1回くらいのペースになってしまうんですね。
子猫って、1カ月経ったら結構大きくなるじゃないですか? 保護活動はすごく大変だと思うのですが、譲渡という点に関してはあまり効率的ではないと思いました。だからといって、不特定多数の人を家に呼ぶわけにはいかない。だったら、僕らはオフィスで猫と一緒に働こうと。そして、予約さえ取ってもらえば里親さんはオフィスに毎日来てもらってもいいし、その流れで引き取り手が見つかればいい。
そういう目的から、「SNSで影響力をつけよう」と思い立ったんです。みんなが見ているアカウントで猫の発信をしていけば、譲渡まで1カ月も待つ必要はなくなるでしょうからね。
――SNSでは、猫ちゃんが施工チェックをしている姿もアップされていました。「職人泣かせの厳しいチェックですが、お家の猫に安心安全に暮らしてもらうためには譲れないこだわりです」と(笑)。てっきり、施工チェックをするために一緒に仕事していると思ったのですが、そういう面もあるのでしょうか?
池田:それは後から生まれた役目で、最初はそうではなかったです。この子たちが可愛い子猫のうちに新しい家に行くことのほうが先なので。

階段を昇り降りして、強度をくまなくチェック
そんななか、「施工チェックをさせたほうが話題になっていいんじゃないか」と思い、掛け合わせた形でSNS運用をやっています。
――SNSで発信する場合、「一緒に仕事しています」「猫ちゃんたちが施工チェックをやっていますよ」というポストをしたほうが話題になりますからね。