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子どもに「まずい食事」出す指導も。炎上した不登校支援サービス、利用した親が明かす“驚きの実態”。医師も問題視。代表を直撃すると

親が「食事を抜くふり」をする指導について

机いっぱいに広げられた封筒

「満足の声が多いことを知ってほしい」として、小川氏が持参した利用者アンケートの束(プライバシー保護の観点から画像を一部加工しています)

 子どもが決められた時間にどうしても起きられなかった場合に子どもに「(自分の)食事を抜いた」と伝えるよう親に勧めた意図について小川氏は次のように説明する。 「スダチは、お子様が心身ともに健康で意欲的な状態になることを目指しています。一方で、私達に相談に来られる多くのご家庭では、昼夜逆転などで生活リズムが乱れているといった現状が多いです。生活リズムを整えるためには、まず朝起きることがファーストステップになります。しかし、どうしても朝起きることが難しいお子さんがいらっしゃいます。そのようなお子さんの心身の健康を守るために、お子さんが自ら朝起きられるようにこれまでも色んな手段を考えてきました。 スダチでは、親子のコミュニケーションをとても大切にしているため、家族で一緒に食事を食べるというルール設定をしております。その際、お子様が決めた時間に起きて来れない場合にそのような提案をすることがございます。また、体調面の問題でどうしても朝起きることが難しいと判断したお子様には提案しておりません」

“健康食”として味つけをしていない食事を出す指導について

 子どもが決められた時間にどうしても起きられない場合に“健康食”と称して「味つけをしていない食事の提供」を親にすすめたケースについて聞くと「過去にあったが、現在は提案していない」とのことだった。 「具体的には『朝〇時に起きる』という家族のルールが守れなかった場合、生活リズムが整わないことにより、お子様の心身の健康を守ることができなくなることを防ぐため、せめてご飯だけは健康に良いものを出すと事前にお子さんに伝えた上で、朝食に健康食のようなものを用意しておくというものでした。 こちらのアドバイスが、サポーター(※編集部注:スダチの支援プログラムにおいて利用する親との連絡や対応を担当するスタッフ)の伝え方や親御さんの受け取り方によって拡大解釈されてしまったケースはあると思います。また弊社としても親御さんへの伝え方を統一できていなかったことを反省しており、現在では重要なアドバイスに関しては伝え方を統一できるように改善を行っています」  なお、取材した元利用者の事例では、サポーターのメールに「青汁や水でふやかしただけオートミール」といった健康食の具体的なメニューも示されており、少なくとも「サポーターの意図を越えた拡大解釈」ではないケースと言えるだろう。  小川氏は次のようにも説明する。 「スダチは、お子さんの心身の健康を守るために、お子さんが自ら朝起きられるようにこれまでも色んな手段を考えてきました。しかし、この提案は、お子様を逆に苦しめる可能性があると判断し、現在はこのアドバイスはしないことを徹底しております」

「在学中の学校に行けなくなった際、①今の高校に戻る、②アルバイトをして学費を稼ぎながら通信制高校に通う、③家を出て自立する、という選択肢を子どもに提示する」指導について

 スダチから我々へ提供された資料で紹介されていたケース(前述の秋元さんとは別の利用者)でも、サポーターから同様の3つの選択肢提案がされた記録があった。  この提示内容の意図として、小川氏より下記の補足説明があった。 「『全日制へ転校する』『高認を取得して大学受験をする』に関しては、お子さんが選択肢としては無いと面談時に言っていた(親御さんも選択肢としてはなくて良い)と聞いていますので、省いております」 =====  不登校の子どもを抱える家庭の事情は三者三様であり、どのアプローチが正しいか一義的な判断は難しい。逆に言えば、画一的なアプローチ方法がないからこそ、不登校支援をおこなう民間事業が多様に展開されているとも言える。  本当の意味での「子どものための支援」とは何か。我が子に合う支援とは何か――それを見極めるうえで、保護者自身の情報リテラシーや判断力が問われている。  一方で、こうした対応の負担が家庭にのしかかっている現状は、制度的な支えの不足を浮き彫りにしているとも言えるだろう。 <取材・文/女子SPA!取材班>
女子SPA!編集部
大人女性のホンネに向き合う!をモットーに日々奮闘しています。メンバーはコチラ。X:@joshispa、Instagram:@joshispa
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