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泥んこ遊びって本当に必要?我が子の「体験」に必死だった私が、普通の熱海旅行で気づいた大切なこと

 新卒から18年半、テレビ朝日のアナウンサーとして、報道、スポーツ、バラエティなど多岐にわたる番組を担当してきた大木優紀さん(44歳)。
大木優紀さん

大木優紀さん

 40歳を超えてから、スタートアップ企業である「令和トラベル」に転職。現在は、令和トラベルが運営する旅行アプリ「NEWT」(ニュート)の広報、まさに「会社の顔」として活躍中です。  第13回となる今回は、小学生のお子さんを育てる大木さんが熱海旅行で感じた「体験の価値」について綴ります。 【過去記事】⇒連載「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」を読む 【Voicyで聴く】⇒音声版「大木優紀の旅の恥はかき捨てて」

熱海旅行で考えた「体験の価値」について

熱海 子育てをしていると、「子どもにさまざまな体験をさせたい」と願う親は多いのではないでしょうか。私自身もそのひとりです。  この夏、家族や親戚、友人たちと熱海を訪れました。ここ数年は教育旅行の名目で海外に出かけることが多かったのですが、久しぶりに「日本の夏」を味わう時間を過ごしました。  1週間の滞在の中で、海の家が並ぶ“ザ・日本の海水浴場”で泳ぎ、スイカ割りや夜の花火を楽しむ。さらに、父が釣ってきた魚をバーベキューでいただくという、まさに夏休みの定番を満喫しました。  五感をたっぷりと刺激され、大人も童心に帰るようなひととき。その中で、改めて「体験の価値」というものを強く感じたのです。

親はなぜ、子どもに体験をさせたいのか?

熱海 熱海旅行で五感をたっぷり刺激される時間を過ごし、「なぜ、子どもに体験をさせたいのか?」と考えたとき、ふと気づいたことがありました。  五感を通して得た体験は、大人になっても感覚として残り続けます。たとえば波の音や花火のにおい。普段は意識していなくても、ふとしたきっかけでよみがえってくる。その曖昧だけれど確かな記憶は、同じ世代の共通言語になったり、自分の中に根を張ったりしています。  だからこそ、子どもにも五感を通じた体験を残してあげたい。それがやがて好奇心や興味の芽となり、将来の学びや生き方につながっていく。  親が「子どもに多くの体験をさせたい」と願うのは、そうした思いからなのだと、今回の旅を通じて改めて実感したのです。
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「体験主義」への問いかけ。泥んこ遊びって本当に必要?
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