44歳・元テレ朝アナ「家族4人でのハワイ移住」を報告。“大きな壁”と不安を明かす
2つ目の壁:子どもの教育
2つ目の壁、というより、私のいちばんの悩みどころだったのが「子どもたちの教育」でした。
我が家には小学6年生の娘と、4年生の息子がいます。どちらも私立の小学校に通っていました。6年前、進路をいろいろ考えて、受験も経て、思い入れのある学校に入学しました。
しかし、学校の規定で、「6年生の2学期以降は一時休学ができない」というルールがありました。つまり、娘がハワイに行くということは、彼女が今の学校を「やめる」という決断をしなければならなかったのです。
6年間、いろんなことがあったんですが、彼女自身は学校で自分の居場所を見つけて、順調に学校生活を送っていたタイミング。だからこそ、この決断は本当に悩みました。
本人とも何度も話し合い、実際にハワイの学校を見学させてもらったりしながら、慎重に考えました。親としては、「行きたい?行きたくない?」と本人に選ばせることが、まだ小学生の娘にとって酷ではないかという葛藤もありました。
けれど、そんな私の心配をよそに、娘は意外とあっさりしていて。「うん、ハワイ行きたい!」と。
きっと本人なりに、まだ実感が湧いていなかったのかもしれません。大人としては小学校の貴重な時期は2度と戻ってこないことも知っているのでどこで過ごすかがすごく大切だということがわかっている。
でもその飄々とした姿に、私は少し救われました。
先日、学校の最終日を迎え、最後のお別れ会でホームルームにお邪魔しました。娘はあえて重くならないように、笑顔で軽やかに挨拶をしていて。逆に私はというと、こみ上げる涙を抑えていたんですが。
そんな娘の姿に、少し寂しさを感じながらも、未来に進む力のようなものを確かに感じました。
息子は一旦休学をし、現地の学校に通うことに。子どもたちの教育的にも大きく転換します。仕事を減らして、ハワイに帯同することとなった夫も、家事や育児の比重を増やしてくれることとなり、今回のハワイへの移住で、教育の形も、家族の形も大きく変わることになりました。
3つ目の壁:住宅の確保
そして、3つ目の壁が「住まいの確保」でした。
実は9月、私はひと足先にハワイへ渡り、家や子どもたちの学校など、生活の基盤を整えるための準備をしてきました。
何件も内見を重ねて、ようやく家を決めたのですが……これが想像以上に大変で。アメリカでは「クレジットスコア」と呼ばれる、ひとりひとりの信用情報のようなものが家を借りる際の重要な基準になります。
けれど、外国人の私はそのクレジットスコアを持っていません。さらに、ソーシャルセキュリティーナンバー(日本でいうマイナンバーのようなもの)もないため、最初はなかなか物件を見せてもらうことさえできませんでした。
ハワイは外国人にもフレンドリーな土地ではありますが、現実的な審査の壁はやはり高く……。最後は自分自身の売り込み勝負!といった形となりました。賃貸契約も仲介業者を通さず、オーナーと直接交渉するケースが多いため、ひとつひとつのプロセスに時間と労力がかかります。
銀行の入出金記録や、これまでの職歴や人物像をまとめたプロフィールファイルまで提出して、ようやく「この家に住める」と決まったときには、ほっと胸をなでおろしました。
とはいえ、まだ入っていないので、何ともいえないのですが、一応、住む家は確保できたことで、少しずつハワイでの暮らしのイメージを持てるような気がしています。
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