「イヤイヤ期で限界に」母親をやめて海外へ渡った30代女性が語る、追い詰められた“本当の理由”
ニュース番組『ABEMA Prime』の2025年11月6日放送回では、SNSで賛否を呼んだ投稿を取り上げ「母親をやめたいと思っちゃダメですか?」をテーマに議論が行われました。
木曜MCを務めるEXITの兼近大樹さんは、「父親やめたい」も同様に批判されると述べ、親であることが“義務化”している現状が少子化の一因ではないかと指摘。また、「母親・父親は羨ましがられない存在になっている」と語り、育児観に根付く“我慢の構造”を分析しました。
この「母親をやめたい」という言葉に、胸を締めつけられる人も少なくないのではないでしょうか。実際に、その言葉を現実にした女性がいます。
東京生まれの真里さん(仮名・30代)は、都内の大学を卒業後、大手飲料メーカーに就職。営業職として忙しい毎日を送りながらも、仕事にやりがいを感じていました。
そんな真里さんが25歳のとき、職場で出会った5歳年上の陽介さん(仮名)と結婚します。穏やかで頼りがいのある彼に惹かれ、「この人となら幸せな家庭が築ける」と信じていました。
「翌年には長男を授かりました。幸せな家庭を思い描いていたのですが、夫から突然、『家業を継ぐために地元へ戻る』と告げられたんです。すでに入籍後のことでした。もちろん、生まれ育った東京を離れたくないし、子育てが落ち着いたら仕事にも復帰したい。地元の友達ともまだ遊びたいと思っていました」
しかし、真里さんの希望は聞き入れられず、ほぼ強制的に夫の実家がある東北地方へ移住することに。知り合いのいない土地での生活が始まりました。
「夫は仕事も忙しく、地元の付き合いもあって充実していたようですが、私は孤立していました。周囲は夫の親戚だらけで、しょっちゅう法事などの集まりがあり、その度に料理を作ったり準備をしたりするのも“嫁の役目”と言われました」
初めのうちは「これが田舎の習慣なんだ」と自分に言い聞かせていた真里さんですが、次第にその言葉が彼女を追い詰めていきます。朝から晩まで、家事と育児と親戚付き合い。誰かのために動き続けているのに、「ありがとう」の一言も言われない。真里さんのことを気にかける人は一人もいませんでした。
「毎日、同じことの繰り返しに耐えられなくなって、子どもを保育園に入れて仕事をしたいと夫に伝えても、『母親は家にいて子どもを見るものだ』と反対されました。義両親も『うちの嫁が外で働くなんて聞いたことがない』と取り合ってくれません。夫と同じ価値観で、ますます息が詰まっていきました」
一方で、友人たちのSNSには仕事や子育てを両立しながら旅行や食事を楽しむ姿が並びます。「なぜ、私だけこんなに息苦しいんだろう」と感じる日々が続いたといいます。都会育ちの彼女にとって、慣れない土地での閉塞感と孤立は、想像以上に重くのしかかっていきます。



