そんな明石さんは、自分が“セクハラを退けられた”という成功体験もあって、上のような発言に至っているようです。
というのも、彼女の前職はメーカーの営業。新卒で営業職に就いた頃は危険なことが多かったそうです。
「仕事以外の電話や、営業時間以内に不要に電話をしてくるお客さんは危険でした。『2人でご飯を食べにいこう』『今日、空いている?』というお客さんも。仕事なのか、それとも色恋なのかをこちらで判断しないと良い仕事ができないですから」
危険と判断すると一人で商談に行かず、必ず男性上司に同行してもらったそうです。そこで仕事が取れなくても「下心のある相手だった」とわかり、すっきりして次の案件に臨むことができたそうです。
「営業職は“会社の花”と言われるように、成功すると栄光を勝ち取れます。だからこそ、自己コントロールが必要不可欠ですね」
その後、彼女はトップランナーをキープしたそうです。「女性の営業職は“き然”とした態度が当たり前」と話す明石さんなのでした。
<TEXT/夏目かをる イラスト/鈴木詩子>