今回のオリンピックで活躍した選手を見ていると、ある共通点に気づきます。それは家族のように温かいサポートを受けてきた人たちだということ。スピードスケートの小平奈緒選手(31)と相澤病院。そしてカーリング女子代表と北海道北見市、常呂町。
羽生選手も、自身のチームについてこう語っています。
<それに、今のチームには愛情を感じるのです。選手として見てくれている以上に、羽生結弦を大事にしてくれています。あのとき(筆者註・2位に終わった2016年3月の世界選手権のこと)、
負けた羽生結弦がいるのですが、その奥にスケーターとしてだけでない一つの人格を持つ羽生結弦がいて、それもちゃんと大事にしてくれているというのを強く感じました。>
(p.79)

成果を出すために全力を注ぎ込むのは当然ですが、しかし長い人生それだけで終わってしまってはいけない――小平選手が金メダル獲得後に語った「
金メダルをもらうのは名誉なことですが、どういう人生を生きていくかが大事になると思う。」という言葉を思い出しました。
もし次の北京冬季オリンピックで主将に指名されても、羽生選手なら大丈夫だろうと思わせてくれる言葉でした。
というわけで、オリンピックって相当に気張っていないと勝負できない世界なんだなと分かるインタビュー集でした。
<TEXT/比嘉静六 PHOTO/代表撮影:JMPA>