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元カノと何度も奇跡の再会。運命と家庭、どっちを取る?|不倫男の胸のうち

恋する「不倫男」の胸のうち――Vol.5>  別れても別れても、偶然、再会を繰り返す男女がいる――と語るのは、不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんです。男性の不倫はどんなきっかけで始まるのか。相手女性への、そして妻への気持ちは。亀山さんが、不倫の恋に身をやつす「男性」の胸のうちをレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)

高校時代の彼女と、パリで偶然の再会

 何度も運命的な再会を果たす男女。ドラマでそんなシナリオを書いたら「ご都合主義もいいところだ」と叱られそうだが、事実は小説より奇なりというところだろう。タケオさん(44歳)とミキさん(43歳)の物語とは……。 パリ「高校時代、ひとつ年下の後輩とつきあっていたんです。でもまあ、深い仲にもならず、それぞれが違う大学に行ったところで自然と疎遠になっていきました。僕は卒業後、大阪の会社に就職。風の噂で彼女はヨーロッパのどこかに留学したと聞いていました」  28歳のとき、出張でフランスへ行った。少し時間があいたのでパリの目抜き通りをふらふら。そこでパリジャンと手をつないで歩くミキさんとばったり会った。 「お互いに固まりましたよ。僕は彼女がフランスにいるとは知らなかった。彼女もびっくりしたでしょうね。高校生のときとは違って、素敵な大人の女性になっていたけど、それでもすぐにミキだとわかりました。隣りにいた男のことは“婚約者”と紹介されました。思わず名刺を出し、なぜか泊まっているホテルの名前を告げました」  タケオさんの泊まっているホテルに彼女が訪ねてきたのは、その晩のこと。バーで積もる話に花を咲かせた。だが彼は婚約者のことが気になってならない。どうして婚約なんかしたんだ、日本に帰ってこいと言った。 「そのとき、彼女に『私はずっと連絡を待っていたのに、大学に入ってからちっとも連絡をくれなかった』と責められて。本当に好きだったのにと泣かれて、僕もやけに感傷的になっっちゃって。その晩、彼女を部屋に泊めたんですホテル とはいえ、彼は2日後には日本に帰る身。ふたりは何の約束もせずに別れた。帰国してから何度か手紙のやりとりはしたが、いつしかまた疎遠に。そして1年後、彼は突然の「できちゃった婚」で結婚した。まだつきあいだしたばかりの女性だったが、これも天命だと思ったという。  その後、彼は東京に転勤。子どもが生まれる数日前、都内の繁華街でミキさんにまたばったり会った。彼女は婚約者と別れ、日本に戻ってきて彼の会社に連絡をした。だが彼は東京に転勤になったと聞いたあと、連絡先を尋ねずに電話を切ったのだという。フランスで勉強した美術とフランス語を活かして、芸術系の企画会社で仕事を始めたと彼女は言った。 「お互いの携帯電話を教えあって、そこからまた会うようになった。僕は結婚していたけど、そのとき本気で、僕が好きなのはミキなんだとわかったんです。ただ、彼女は不倫であることを非常に嫌がっていました」  とはいえ、出産したばかりの妻に離婚を切り出すわけにもいかない。自分の気持ちはミキさんにあるのに、家庭を振り捨てるほどタケオさんは無責任ではなかったということだろう。
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別れて7年後、また偶然会ってしまうふたり
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