Lifestyle

『おっさんずラブ』が話題になってる頃、“普通にゲイ”な人たちに会った

LGBTがドラマ設定の一部として普通にあるようになれば

ドラマ「弟の夫」

「弟の夫」NHK公式サイトより http://www.nhk.or.jp/pd/otto/

 例えば冒頭で例に出したドラマはLGBTのことを“わざわざ”主題にして作られたものですよね。  こういう作品に対して進歩だ! という声が聞かれたし私もそうだと思います。ただ、LGBTのことが主題ではなくあくまでも設定の一部として普通にあるようになったとき、日本も一歩前進なのかなと思います。

ゲイの友人は「怖いからカミングアウトできない」

 最後にもう一つ。今回一緒にいたアジア人の友人がいるのですが彼はカミングアウトをしていないゲイでした。3年以上の知り合いなのですが、今回酔っ払ってストレートに聞いたら教えてくれました。  彼に、周りの反応を想像したら怖くてカミングアウトはできない、と言われました。
映画「ナチュラルウーマン」

主人公のマリーナは、トランスジェンダーであるが故に周囲から容赦ない偏見と差別を浴びせられる。チリ代表作として初のアカデミー賞外国語映画賞受賞「ナチュラルウーマン」(ニューセレクト)

 通常ゲイをカミングアウトをされた時の私の反応って、好意を持っている人だと(自分が恋愛対象になれないから)「残念!」だし、そうでなければ単純に「そっか、そうなんだ」なんです。  なんと言ったらいいのか、なんと言ったら読んでくれている方の気分を害さないで伝えられるのか難しいのですが、しょせん人の性的嗜好やら恋愛対象なんて「他人事」じゃないですか。関係あるのはその人に対して自分が恋愛感情もっている時だけ。少なくとも私はそう思っています。  だから友人が、怖いからカミングアウトできないというのは本当に悲しかった。世の中には自分に関係ないことを理由に差別をする人がいるのだという事実が。私にできることが何もないという事実が。知らない間に自分も差別をしているのかもしれないという事実が。
ボーイズ・ドント・クライ

トランスジェンダー(身体的には女性だが本人の性自認は男性)のブランドンは、そのことで強姦・殺害されてしまう…。1993年に起きた実話に基づく映画「ボーイズ・ドント・クライ」(20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン)。主演のヒラリー・スワンクがアカデミー主演女優賞受賞。

 だからこそ専門家でも当事者でもない私が思ったことを書きたかったんです。読んだ人に私の意見を押し付ける気は全くありません。でもありがたくも読んでいただけたら、その間だけでも何かを思ってくれたらとても嬉しいです。  ちなみに、私はこの友人が職場でも家族にもカミングアウトしたら一緒に祝杯をあげたいな、と勝手に思っています。そしてその日が早く来るといいなと心の底から思っています。 <文/もちこ>
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