「ボーダー=モテない」は嘘?定番のボーダーで周りに差をつける方法
【モードをリアルに着る! Vol.43/小林直子】
多くの人が愛するボーダー、つまり横縞は、日本ではしばしば「ボーダーを着ているとモテない」と言われ、愛と憎しみが混在した、大好きだし、着るのは簡単だけれども、どこか着ることが後ろめたいような、複雑な心境を引き起こすアイテムという位置づけになっています。
しかし、モードの世界では、古くはシャネルのクラシックなボーダーのセーター、そして80年代のジャン・ポール・ゴルチエのボーダーのドレスやソニア・リキエルのカラフルなボーダーのセーターなど、ボーダーはモードの世界から愛される、定番の柄であると言えるでしょう。
ではなぜボーダーが、着ているだけでモテないなどと揶揄(やゆ)されてしまうような、そんないじけたアイテムになってしまったのでしょうか。答えは、ボーダーがあまりに巷にありふれて、人々が見なれて、飽きてしまったからでしょう。
飽きはおしゃれの大敵です。流行が移り変わっていくのは飽きから逃れるためであり、それはモードの宿命でもあります。
もし人々が全く飽きずに、いつも同じものを見ておしゃれだと感じるならば、シーズンごとにコレクションを開く必要はありません。飽きないためのたゆまない努力、それがモードの仕事でもあるわけです。
おしゃれであることには間違いない、しかしもう既に多くの人が見飽きてしまったボーダーをモード風に着こなすのはどうしたらいいか。マイケル・コースコレクションのプレフォールから学びましょう。
大きなリボンのついた黒と白のボーダーのセーターに、深いスリット部分にレースを施した水玉のロングスカート、黒と白のスライダーに赤いバッグというルックです。
セーターとスカート、サンダルは黒と白の2色で統一、バッグだけ赤にすることで、シックでエレガントなボーダーのスタイルを作っています。
もちろん工夫しているのは色遣いだけではありません。ボーダーに水玉という、いわゆる柄と柄を合わせるパターンミックスを作り、スカートの一部を今はやりのレース使い、そして足元にはスポーツテイストのスライダーを合わせることで、これが2018年のボーダーを使ったスタイルであるということを強調しています。
ぱっと見ただけでは何となくおしゃれに見えるだけかもしれませんが、これは考え抜かれたボーダーのモードなスタイルなのです。熟考した結果だけれども、さりげなくおしゃれな印象を与える。ボーダースタイルをモードに見せる肝は、まさにこの点にあります。
では私たちも同じようにボーダーのアイテムをモード風に見せるにはどうしたらいいでしょうか。
まずは街にあふれている見飽きたボーダースタイルは選択しないことです。街にあふれているのはボーダーシャツ、ジーンズ、スニーカー、またはボーダーのTシャツにウエストがゴムのロングスカート、そして寒ければトレンチコートという判で押したようなスタイルです。
モードに見せたい場合は、この誰でもやっている、街に出たら同じ格好の人とすれ違ってしまいそうなスタイルは避けましょう。
「モテない」説は人々がボーダーに見飽きたせいでは?
ボーダーをモード風に着こなすのはどうしたらいい?
ジーンズの見飽きたスタイルは避けて
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