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杉咲花『ハケン占い師アタル』の最終回が思い出させた、「働くことの快感」

上司の「飲みに行くぞ」が、嫌じゃなくなっていく

 ところで、このドラマの重要なポイントとして、第一話から最終回まで必ず登場したシーンがありました。それは、「仕事後の居酒屋」です。
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#明日よる9時 の #ハケン占い師アタル #第7話 は、 出世に全てを捧げてきた男 #代々木回 。 なぜ、代々木部長はアテンド命になってしまったのか?! そして、アタルに迫るキズナの影… のその前に、 #第6話再放送 もお楽しみに! ん?みんな様子がおかしいですね いやいや! ひときわ様子おかしい人、おる~っ! #あなたにも絶対いいところがある#杉咲花 #小澤征悦 #志田未来 #間宮祥太朗 #志尊淳 #野波麻帆 #板谷由夏 #若村麻由美 #及川光博 #JUJU #ミライ

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 最初は、上司に飲みに誘われても断る者、行っても長話に退屈してあくびをしている者、スマホをイジっている者などばかりでした。その光景を見ながら、「仕事後くらい自由にさせてほしい」「飲みも仕事のうちなんて、ナンセンスだ」と感じた人もたくさんいたでしょう。  それが、一人また一人と、悩みが解決し、仕事と向き合うようになってからは、徐々に上司の「飲みに行くぞ」のセリフが、別の響きを持つようになってきます。途中からは「こんなときは飲みたいもんね」「疲れていても、一杯くらい」という気分になったり、この居酒屋シーンを楽しみにするようになったりした視聴者も多いのではないでしょうか。  仕事の質量や出来不出来にかかわらず、「頑張った」「なんとか終わった」「やり遂げた」という小さな達成感を得られたときは、「一杯飲みたい」という気持ち、すごくわかります。業種や職種、年齢も立場も関係なく、おそらくこういう気持ちは、「仕事」「働くこと」によってしか得られない気がするのです。

「働く」ことの意味を思い出させてくれた最終回

 年功序列や終身雇用が崩れ、賃金も上がらず、経済も完全に頭打ちに見える現代では、なんらかの不安を抱きながら働いている人がほとんどでしょう。それは決して解消されないものの、それでも「仕事」でしか得られない快感というのは、やっぱりある。  そして、それが「チーム」として味わえるものなら、もっと大きなものになる気がします。  最終回では、これまで脇にちょこちょこ登場してきた警備員や食堂のおばちゃん、掃除のおばちゃん、居酒屋店員さんなどの「仕事」ぶりもクローズアップされました。きっと彼らもその日は美味しい一杯(お酒にかかわらず)が飲めるはず。  閉塞感ばかり感じる世の中で、「働く」ことの意味を思い出させてくれる最終回でした。 <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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