杉咲花『ハケン占い師アタル』の最終回が思い出させた、「働くことの快感」
上司の「飲みに行くぞ」が、嫌じゃなくなっていく
最初は、上司に飲みに誘われても断る者、行っても長話に退屈してあくびをしている者、スマホをイジっている者などばかりでした。その光景を見ながら、「仕事後くらい自由にさせてほしい」「飲みも仕事のうちなんて、ナンセンスだ」と感じた人もたくさんいたでしょう。 それが、一人また一人と、悩みが解決し、仕事と向き合うようになってからは、徐々に上司の「飲みに行くぞ」のセリフが、別の響きを持つようになってきます。途中からは「こんなときは飲みたいもんね」「疲れていても、一杯くらい」という気分になったり、この居酒屋シーンを楽しみにするようになったりした視聴者も多いのではないでしょうか。 仕事の質量や出来不出来にかかわらず、「頑張った」「なんとか終わった」「やり遂げた」という小さな達成感を得られたときは、「一杯飲みたい」という気持ち、すごくわかります。業種や職種、年齢も立場も関係なく、おそらくこういう気持ちは、「仕事」「働くこと」によってしか得られない気がするのです。
「働く」ことの意味を思い出させてくれた最終回
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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